李登輝前総統訪日に至る経緯

日本政府は毅然とした対応だが、条件を付けるのは問題

 李登輝前総統の訪日日程がようやく決まり、本誌編集部も安堵しています。短い日程で
はありますが、ゆっくりと日本の秋を楽しんでいただきたいと念願しています。

 今後、李登輝前総統の訪日には中国政府の反対などいろいろの妨害が予想されますが、
日本政府は今回の訪日に関しては毅然とした姿勢で臨んでいます。これまでの経緯をたど
ってみれば歴然としていますので、ここに簡単にご紹介いたします。

 ただし、馬英九市長や連戦前国民党主席などが政府要人と会談したり、政治的なテーマ
で講演したりしているのと比べますと、李登輝前総統には首相や閣僚、国会議員とは面会
してはならないとか、政治的なテーマで講演してはならないなどの条件を付け、日本政府
の対応は明らかに後退しています。問題はここにあります。

 なお、本会ホームページの「2006 李登輝前総統 来日特集」にはこれまでの報道記事の
全文などを掲載し、さらに詳しくまとめていますのでご参照ください。   (編集部)


平成13年(2001年)
4月22日 李登輝前総統が夫人を伴われて心臓病治療のために来日(〜4月26日)。

平成16年(2004年)
12月27日 李登輝前総統がご家族と一緒に観光のため来日。名古屋、京都、金沢などを訪
     問(〜1月2日)。

平成17年(2005年)
1月20日 李登輝前総統が日本人記者団に、「奥の細道」をたどるため早ければ今夏にも
     再訪日したいとの意向を表明。
11月1日 李登輝前総統が本会の台湾李登輝学校研修団などに対し、来年4月に訪日して
     「奥の細道」を歩いてみたいと表明。
11月5日 李登輝前総統が4月訪日を5月に変更表明。

平成18年(2006年)
1月11日 読売新聞が、李登輝前総統は「5月10日から2、3週間の日程で来日する方向
     で調整している」と報道。
1月12日 本会の小田村四郎会長が「李登輝前総統来日についての歓迎声明と政府への要
     望」を小泉純一郎首相、麻生太郎外相、安倍晋三官房長官に提出。
1月20日 麻生太郎外相が李登輝前総統の入国を認めるべきと記者会見で見解表明。
1月26日 交流協会が李登輝前総統の来日は「ノービザ」でよいことを明示。
2月22日 東京新聞が、政府は李登輝前総統の5月来日を認め、文化講演の容認、東京訪問
     の容認、首相、閣僚、国会議員との面会は認めないない方針が明らかになった
     ことを報道。
3月15日 李登輝前総統が日本記者団に、訪日は5月10日から2週間の予定で、仙台・松島
     ・平泉・日光などの訪問先を明示。
3月17日 日本政府が李登輝前総統の来日「ノービザ」を決定。麻生太郎外相は17日の参
     院予算委員会で「別に問題視することではない」と述べ、杉浦正健法相も「も
     う一般の民間人であり、一般の旅行者と同じだ」と表明。
3月28日 李登輝前総統が5月の日本訪問を健康上の理由から今年秋に延期することを表
     明。
5月21日 産経新聞が「李氏に近い筋は数日前に李氏に確認したとして、『九月訪日』と
     なる可能性が極めて高いとの見通しを示した」と報道。
8月13日 李登輝前総統が9月訪日の意向を表明。
8月19日 李登輝前総統の事務所が訪日は9月12日から17日と発表。



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