すでに本誌でもお伝えしましたように、李登輝前総統は昨年11月1日、今春4月訪日の希
望を表明され、また11日になって5月訪日に変更する旨を表明されていますが、1月11日付
「読売新聞」朝刊2面に「李登輝氏『奥の細道』散策、5月10日来日で調整へ」という見出
しのもと、李登輝前総統の来日報道が掲載されました。
そこで、一昨年に引き続き、本会の小田村四郎会長は1月12日付で、毅然とした姿勢でビ
ザを発給することや来日に条件を付けないことなどを要望する「李登輝前台湾総統来日に
ついての歓迎声明と政府への要望」を小泉首相、安倍官房長官、麻生外相に対して提出い
たしましたので、下記にご紹介します。
なお、この要望書の趣旨にご賛同いただけるようでしたら、皆様からも小泉首相、安倍
官房長官、麻生外相に対して同様の要望を届けていただきますようお願いします。この文
末に連絡先を掲載します。 (編集部)
李登輝前台湾総統来日についての歓迎声明と政府への要望
昨日の報道によれば、台湾の李登輝前総統が松尾芭蕉ゆかりの「奥の細道」訪問のため
、五月十日から二、三週間の日程で来日する方向で調整しているという。
政府はこれまで台湾の現役政治家である連戦・前国民党主席や宋楚瑜・親民党主席など
にビザを発給し、来日時の政治的言動も制限してきていない。にも拘らず、党籍を離れて
一市民となった李登輝前総統にはビザも発給しないという理解しがたい対応を取ってきた。
しかし、一昨年十二月半ばに至って、李前総統の観光を目的とした来日を認めて中国政
府にも通告し、ビザ発給の方針を決定し、小泉純一郎首相も町村信孝外相も「一市民が観
光目的で来日するのを断る理由がない」と言明した。
ただし、来日については、私どもの要望どおりビザは滞りなく発給され、身辺警護も準
公人並に行われたものの、政府は「記者会見しない、講演しない、政治家と会わない」と
いう三つの条件を付けたと言われる。もし事実だとすればこれは全く遺憾なことと言わな
ければならない。また、数次査証(マルチ・ビザ)はおろか十五日間の短期ビザ発給だっ
たことも問題だったと言わざるを得ない。
李登輝前総統の来日そして「奥の細道」散策実現を目的の一つに掲げて設立した本会並
びにこの趣旨に賛同する諸団体は、その来日を心から歓迎するものである。ついては、一
昨年も政府に要望したが、改めて左のことを要望する。
一、李登輝前総統の来日に対して日本政府に必ずやビザ発給を取り消すよう抗議してくる
中国政府の外圧や、国内の反対勢力に屈することなく、毅然とした姿勢でビザを発給さ
れるよう要望する。
一、ビザ発給に当たっては、観光目的で、しかも家族とともに来日される予定なのである
から、「記者会見しない、講演しない、政治家と会わない」などの条件を付することの
ないよう措置することを要望する。
一、日本国内において、李登輝前総統やその家族に危害を加えるようなテロ行為に対して
は、それを未然に防ぐ万全の措置を講ずるよう要望する。
一、政府はすでに台湾からの観光客に対するビザを免除したからには、李登輝前総統を「
入国審査対象」とせず、いつでも自由に来日できるよう、数次査証を発給するよう強く
要望するものである。
平成十八年一月十二日
日本李登輝友の会
会長 小田村 四郎
内閣総理大臣
小泉 純一郎 殿
李登輝氏「奥の細道」散策−5月10日来日で調整へ
【1月11日付 読売新聞 2面】
台湾の李登輝・前総統が5月10日から2、3週間の日程で来日する方向で調整している。
民間団体などの招きによるもので、東京や秋田などを回り、松尾芭蕉の「奥の細道」ゆ
かりの地を訪問したい意向だ。李氏は2004年末に来日し、京都や金沢、名古屋などを観光
旅行した。今回、来日が実現すれば、約1年半ぶりとなる。
日本政府が前回、李氏に査証(ビザ)を発行した際、中国政府は反発した。その後、昨
年の愛・地球博(愛知万博)を機に、短期滞在の台湾観光客には査証が免除になった。た
だ、政府筋は「李氏のような要人は、入国審査対象になる」として、日本での政治活動の
有無などを確認したうえ、李氏の入国の是非を判断するとの見通しを示している。
外務省は「李氏の来日についてはまだ正式に聞いていない」としている。
李登輝前総統来日に関する要望先
■小泉純一郎総理大臣
〒100−0014 東京都千代田区永田町2−3−1 首相官邸
TEL:03−3581−0101
FAX:03−3581−3883
メール http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
■安倍晋三内閣官房長官
〒100−8968 東京都千代田区永田町1−6−1 内閣官房
TEL 03−5253−2111
メール http://www.iijnet.or.jp/cao/cas/jp/goiken.html
■麻生太郎外務大臣
〒100−8919 東京都千代田区霞が関2−2−1 外務省
TEL:03−3580−3311
TEL:03−3592−1651(大臣直通)
メール http://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/index.html
■内閣府(首相 官房長官)・外務省(外務大臣)
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