超党派の国会議員でつくる日華議員懇談会会長の古屋圭司・衆議院議員は8月7日、同懇談会の岸信夫・幹事長(衆議院議員)と木原稔・事務局長(衆議院議員)とともに国会内で記者会見し、李登輝元総統を弔問するため、日本台湾交流協会と日華議員懇談会の合同で森喜朗・元首相を団長とする弔問団として、8月9日に日帰りで訪台すると表明した。
弔問団は実質的な安倍晋三総理の名代であることや派遣は日本が初めてであることなどを明かし、古屋会長や岸幹事長など7名が同行、「羽田空港からチャーター便で台北松山空港に向かい、到着後は李氏の追悼会場が設けられている台北市の台北賓館に直行。弔問を済ませた後、蔡英文総統と会談し、同日中にチャーター便で帰国する」(中央通信社)と表明した。
また、キリスト教形式で行われる国葬について、古屋会長は「葬儀は9月中旬ごろになると聞いていると説明。『行く機会を逸してはならないので、行ける時に行く』と語った」と共同通信は伝えている。
産経新聞は「岸信夫衆院議員は、平成27年に李氏の講演会を議員会館で開いたことを振り返り、『示唆に富んだ話をしていただいた。李元総統に弔意を申し上げたい』と述べた」とも伝えている。
これは、戦後70年を迎えた2015年(平成27年)、麻生太郎・財務大臣(当時)と下村博文・文部科学大臣(当時)の現役閣僚2人を含む、超党派の衆参国会議員40名が発起人となって設立した「李登輝先生の講演を実現する国会議員の会」と日本李登輝友の会が李登輝元総統を招聘し、7月22日、衆議院第一議員会館において開催された「台湾のパラダイムの変遷」と題した講演会のこと。
当日は、全国会議員の40.7%に当る292人もの現役議員が出席。秘書等の代理112人を含めると実に56.3%に当たる404人が出席し、関係者を合わせ450人が集う満堂の中、御年92歳の李元総統は最初から最後まで立ちっぱなしで音吐朗々と話された。
日本の国会議員が台湾要人を日本に招き、国会内の施設で講演会を開くのは初めてのことで、文字通り歴史に残る快挙だった。
招聘の中心的な役割をつとめ、講演会の司会をつとめた岸信夫議員にとっても、印象深い出来事だったと拝察される。李登輝元総統もかなり力を入れた講演だったようで、後日、台湾でお会いしたときにこの講演会のことに何度か言及されている。
—————————————————————————————–李登輝氏死去 日華懇が弔問団を台湾に派遣へ 団長に森喜朗元首相 コロナ対策徹底【産経新聞:2020年8月7日】https://www.sankei.com/article/20200807-6YB67F4NMNLHNCHIK2AM4CPLJY/
台湾の李登輝元総統の死去を受け、超党派議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)の会長を務める自民党の古屋圭司元国家公安委員長らが7日、国会内で記者会見を開き、弔問団を9日に日帰りで派遣すると明らかにした。団長は森喜朗元首相が務め、蔡英文総統との会談も予定している。
古屋氏によると、弔問団の派遣は日本が初めて。現職国会議員の参加者は自民4人、公明、国民民主、維新各党から1人ずつの計7人。立憲民主党は「適任者がいないという連絡があった」(古屋氏)として参加を見送った。森氏については「特使などではないが、実質的には(安倍晋三首相の)名代だ」と説明した。
新型コロナウイルス対策として、感染の有無を調べるPCR検査で陰性とされた者のみが参加する。チャーター機を利用し、台湾での滞在時間も極力短くする方針だ。
古屋氏は弔問団派遣について「日本と台湾との絆を象徴する行事だ」と強調。日華懇幹事長の岸信夫衆院議員は、平成27年に李氏の講演会を議員会館で開いたことを振り返り、「示唆に富んだ話をしていただいた。李元総統に弔意を申し上げたい」と述べた。
弔問団の参加国会議員は次の通り(敬称略)。
【自民】古屋圭司、岸信夫、中山泰秀、衛藤征士郎【国民】榛葉賀津也【公明】富田茂之【維新】石井章
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