李登輝元総統ゆかりの議員会館で日華議員懇談会が弔問訪台報告会

 8月19日、李登輝元総統の弔問のため訪台した日華議員懇談会(古屋圭司会長)が訪問団団長の森喜朗・元総理や謝長廷・駐日台湾代表を招き、「弔問訪台報告会・臨時総会」を衆議院第一議員会館の国際会議室にて開催しました。

 衆議院第一議員会館は2015年7月22日に李元総統が講演したゆかり深い場所。第3次安倍内閣の麻生太郎・財務大臣と下村博文・文部科学大臣の閣僚2人を含む、超党派の衆参国会議員40人が発起人となった「李登輝先生の講演を実現する国会議員の会」と本会が招聘して実現した講演会でした。1972年9月に日本が台湾と断交して以来、日本の国会議員が台湾要人を招聘するのは初めてのことであり、国会内施設で講演会を開くことも初めてでした。

 報告会では、冒頭に李元総統を追悼するため黙?が捧げられ、その後、森元首相や岸信夫・幹事長から訪台の詳細が報告されたそうです。下記にフジテレビのニュース映像と中央通信社の記事を紹介します。

 ちなみに、8月9日の弔問訪台団には日華議員懇談会から、会長の古屋圭司・衆議院議員(自民党)、幹事長の岸信夫・衆議院議員(自民党)、顧問の衛藤征士郎・衆議院議員(自民党)、副会長からは富田茂之・衆議院議員(公明党)、中川正治・衆議院議員(立憲民主党)、榛葉賀津也・参議院議員(国民民主党)、石井章・参議院議員(日本維新の会)、長島昭久・衆議院議員(自民党)の5名、元外務副大臣の中山泰秀・衆議院議員(自民党)の計9名が参加しました。

 弔問訪台報告会の模様はメディア取材を許可したため各社が報道していますが、ここでは森元総理と謝長廷代表の挨拶を放映したフジテレビのニュース映像を紹介します。

◆FNNプライムオンライン: 【8月20日 3分17秒】  森元首相「台湾や朝鮮の近現代史教育を」  台湾代表は中国が反対する国際機関加盟に支援要請  李登輝氏弔問報告 https://news.yahoo.co.jp/articles/20efa2a7cee1659bc411252a1622e6ee39ada359

 なお、昨日の本誌でお伝えしたように、李登輝元総統の実質的な国葬となる追悼告別ミサは、9月19日午前9時30分より新北市淡水の真理大学大礼拝堂で行うこととなりました。また、現在、ご自宅に安置されているご遺骨は10月7日に新北市汐止にある 「国軍示範公墓」 の特勲区に埋葬されることが決まりました。この「国軍示範公墓」は新北市汐止区五指山にあることから「五指山軍人公墓」とも呼ばれています。

 日本からは果たして出席するのか、出席するとすれば誰になるのか、おおいに注目されます。

—————————————————————————————–日華懇が李元総統弔問訪台の報告会 古屋会長、日本高官の台湾派遣に期待【中央通信社:2020年8月20日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202008200002.aspx

(東京中央社)超党派議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)は19日、李登輝元総統の弔問団の訪台に関する報告会を国会内で行った。古屋圭司会長は中央社の取材に対し、日本の高官の台湾訪問を期待する考えを示した。

 李氏の死去を受け、日華懇の議員を中心とした弔問団が9日、チャーター機で訪台。森喜朗元首相が団長を務め、追悼会場となっていた台北賓館で李氏の遺影を前に弔辞を読み上げた。新型コロナウイルス対策のため、一行は滞在時間を必要最小限とし、同日中に帰国した。

 報告会は李氏が2015年の訪日時に講演した衆議院第一議員会館で開かれ、国会議員や代理人、合わせて約150人が参加。冒頭、約1分間の黙とうがささげられた。古屋会長は、世界初の弔問団となったことを報告。森氏は、無事に訪台できたことについて台湾と日本の政府に謝意を示した。招待を受けて出席した謝長廷駐日代表(大使に相当)は、李氏が残してくれた台湾と日本の絆を大事にしていきたいとの考えを語った。

 日本から弔問団が派遣された日、米国からはアザー厚生長官が訪台した。これを受け、日本から台湾への高官の派遣の可能性について中央社記者に問われると、古屋氏は、国会議員にとどまらず、日本の高官が訪台することに期待する考えを示し、政府を後押ししていく姿勢も見せた。

(楊明珠/編集:楊千慧)

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