1923年(大正12年)1月生まれの李元総統は年が明ければ満96歳というご高齢。秋も深まり、台湾でも寒暖の差がかなりあり、日中は28度を超す夏日にもなるが朝夕は20度前後まで下がる。
実は、10月24日から27日にかけて実施した本会の「2018年役員・支部長訪台団」(団長:渡辺利夫・会長、副団長:辻井正房・常務理事)でも、25日の夕食会をご一緒する予定だったが、やはり体調を考慮して臨席されなかった。
今回の「役員・支部長訪台団」には、台南の中信金融管理学院客員教授として台南在住の梅原克彦・常務理事など12名が参加、陳菊・総統府秘書長をはじめ徐斯儉・外交部政務次長(副大臣に相当)、西海茂洋・日本台湾交流協会台北事務所副代表、蔡明耀・外交部前主任秘書、張淑玲・台湾日本関係協会秘書長などと意見交換し、とても充実した訪台だった。
李元総統とお会いできなかったのは返す返すも残念ではあったが、こればかりは致し方ない。日台交流のシンボル、羅針盤としてまだまだ活躍していただくべく、お健やかなるご長命を祈りたい。
————————————————————————————-李登輝元総統、シンポ出席を急きょ見送り 寒暖差に医師が懸念【中央通信社:2018年10月27日】
(台北 27日 中央社)李登輝元総統(95)が27日午前に予定されていた経済シンポジウムでの開会のあいさつを急きょ取りやめたことが分かった。李登輝事務所の王燕軍主任は中央社の取材に対し、明け方に冷え込みが強まり、日中との寒暖差が大きくなると予想されるため、医師から無理をしないよう勧められたと説明した。
シンポジウムは李登輝基金会と台湾教授協会が27、28両日に台湾の投資環境やイノベーション力をテーマに開催するもので、李氏は28日にも閉会のあいさつをすることになっていた。これについて王主任は、気温の変化が大きいようなら大事を取って取りやめるとしている。一方で、李氏の最近の健康状態は良好だと述べ、関心を寄せる人々に謝意を示した。
27日の開会式では、李氏の書面によるあいさつが代読された。李氏は「イノベーションが進みつつあるも、法整備と政策が追いつかない」、「多くの優秀な人材が育っているが、待遇が悪ければ大量の人材が海外に流出する」など台湾の課題を挙げ、学者や専門家が意見を出し合い、政府がそれを政策立案の参考にすることが台湾の活性化につながることに期待を示した。
(葉素萍/編集:塚越西穂)