日本の台湾との窓口機関の日本台湾交流協会は6月20日付で、大橋光夫会長の後任会長に、元東京海上ホールディングス会長や経団連副会長をつとめた隅修三(すみ・しゅうぞう)氏が就任したと発表した。
台湾の中央通信社も「隅氏は1947年、山口県に生まれ、70年に早稲田大学理工学部を卒業後、同年、東京海上火災保険に入社。
企業商品業務部長やロンドン首席駐在員などを経て07年に同社社長に就任し、08年からは東京海上HD社長に就いた。
13年から19年まで東京海上HD会長を務め、現職は東京海上日動火災保険相談役」と報じている。
山口県岩国市の高水高等学校・付属中学校では漫画家の弘兼憲史氏と同級で、早稲田大学高等学院ではボート部に入り、インターハイでは全国3位になったこともあったという。
「海外とのビジネスに際して、ボートを漕いでいたということで、信頼関係をスムーズに築けたケースも幾度となく経験した」ともいう。
台湾も端午節のドラゴンボートは民族競技といわれるほど盛んなところ。
台湾有事が取り沙汰されるこれから日台関係の真価を問われる場面が頻発してくる。
ボートを機縁に日台の信頼関係をいっそう深めていただきたいものだ。
日本台湾交流協会は6月23日に隅修三・新会長の就任挨拶を伝えている。
下記にご紹介したい。
公益財団法人日本台湾交流協会会長 隅修三からのご挨拶【日本台湾交流協会:2025年6月23日】https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=4440&dispmid=5287
この度、14年に亘って会長を務められ、在任中に日台の交流の増進に多大な貢献をされた大橋前会長の後任として、令和7年6月20日付で公益財団法人日本台湾交流協会会長に就任いたしました隅修三です。
これまで私は、長年ビジネスの分野で台湾と関わってまいりました。
今後、日本台湾交流協会の会長として、ビジネスのみならず、様々な分野で日台の協力の発展に尽力できることを光栄に感じております。
また、私個人としても、先日、プライベートで家族と台湾を訪れ、豊かな自然や文化、そして台湾の方々の日本への温かい気持ちを感じて、日台協力への尽力の決意を新たにしたところです。
皆様もご承知のとおり、台湾は後世に伝えるべき民主主義や自由、法の支配といった基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人です。
日本台湾交流協会として、今後も日台の協力と交流の更なる深化をはかっていく考えです。
現在、日台関係は最良の状況にあり、昨年度に当協会が実施した台湾における世論調査では、最も好きな外国はどこかの問いに76%の台湾の人が日本と回答しました。
また、昨年の訪日台湾人数は、過去最高ののべ約604万人に達しました。
経済面では、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本への投資も進んでいます。
共通の課題への対処のための協力も進展しており、昨年11月のペルーAPECでは、石破総理が林信義代表と会談し、防災面を含む幅広い分野での協力の強化を確認しています。
私は老子の教えである「上善如水」を理想的な生き方として心に刻んで参りました。
水が万物を潤すように、人と争わず、名声を求めず、無私の心で業務に全力を尽くす。
会長就任に当たり、まさに「上善如水」の気持ちで、日本台湾交流協会の職員と一丸となって、日台の関係者の皆様と手を携えて、様々な分野における日台の友情をより広く、深く、新たな次元に高めるべく、じっくりと腰を据えて取り組みたいと考えております。
これから日台間の交流促進のため、微力ながら努力してまいる所存ですので、皆様から御指導・御鞭撻いただけますと幸甚に存じます。
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※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。