11月18日、米国のバイデン大統領がカナダのトルドー首相と会談した際、記者団に対し、来年2月に開催される北京五輪の外交的ボイコット(選手が競技に参加しても、政府関係者は派遣しない)について「われわれが検討していることだ」と語ったという。
この日、台湾外交部は外交関係がないバルト三国のリトアニアに事実上の大使館となる代表事務所を正式に開設したと発表した。その名称は「駐リトアニア台湾代表処(駐立陶宛台湾代表処)」。ヨーロッパにおいて「台湾」の名称で代表処を設けるのは初めてのことで、18日に業務を開始したという。
本誌でも何度かお伝えしてきたように、台湾の外交部は今年の7月20日、リトアニアの首都ビリニュスに代表機関「駐リトアニア台湾代表処」を設置すると発表していた。一方。リトアニア側はこの発表に先んじて、6月末にリトアニア外相が台湾に代表機関を設置する計画を明らかにしており、来年初頭に台湾に代表機関を設置する予定だという。
中国は猛反発しているが、すでにリトアニアには「大使召還」措置もとっており、バイデン大統領の発言とも相まって、ヨーロッパの相次ぐ中国離れのドミノ現象に苦慮していると思われる。
—————————————————————————————–駐リトアニア台湾代表処が業務開始 協力関係促進へ【中央通信社:2021年11月18日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202111180008
(台北中央社)リトアニアの首都ビリニュスに18日、中華民国(台湾)の代表機関、駐リトアニア台湾代表処が正式に設立され、業務を開始した。外交部(外務省)が同日発表した。初代駐リトアニア代表(大使に相当)は現駐ラトビア代表の黄鈞耀(こうきんよう)氏が務める。
台湾とリトアニアは外交関係を持たない。外交部によると、欧州での代表処設置は2003年のスロバキア以来18年ぶりとなる。リトアニアでは昨年10月の議会選挙で台湾に友好的な新政権が誕生しており、今年に入ってからは台湾に新型コロナウイルスワクチンを提供するなどしていた。リトアニアも来年初頭に台湾に代表機関を設置する予定。
外交部は報道資料で、双方は半導体やレーザー、金融テクノロジーなどの分野での協力において大きな潜在性を有していると説明。今度も共有する核となる価値観の上で友好関係促進に尽力し続けていくとした。
(鍾佑貞/編集:名切千絵)
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