昨年11月18日、リトアニアの首都ビリニュスに台湾の大使館に相当する「駐リトアニア台湾代表処(駐立陶宛台湾代表処)」が台湾の名称を冠して正式に開設され、中国はリトアニアから大使を召還させたり経済制裁するなどの圧力を加えたが、リトアニアは一歩も引かなかった。
リトアニアは引くどころか、逆に台湾との関係を強化し、昨年11月28日にはエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国の国会議員団10人が台北で開催されるフォーラム「2021年開放国会論壇」に参加するために台湾を訪問している。
今年に入ってからも訪台は活発化していて、6月12日にはヨウィータ・ニューリップシエネ経済革新副大臣一行、6月22日からはエギディユス・ギエドライティス農業副大臣一行、そして8月7日には運輸通信省のバイシウケビチウテ副大臣らで構成される代表団が訪台している。
リトアニアは昨年2月、中国と中東欧17カ国の経済協力枠組み「17+1」から離脱すると表明し、5月に正式離脱しているが、バルト三国のエストニアとラトビアも8月11日に「17+1」からの離脱を表明した。
リトアニアが問題としたのは中国による新疆ウイグル自治区のウイグル族への圧力で、昨年5月20日、リトアニア議会はこれを「をジェノサイド」と認定する決議案を可決し、中国中東欧首脳会議からの離脱を宣言した。エストニアとラトビアもこれに同調することになった。
—————————————————————————————–ラトビアとエストニア、中国との協力枠組みから離脱【ロイター:2022年8月12日】
[ビリニュス 11日 ロイター] バルト3国のラトビアとエストニアは11日、中国と中東欧諸国の協力の枠組みから離脱すると発表した。隣国リトアニアは昨年に離脱している。
中国を巡っては、台湾に対する軍事的圧力の強化やウクライナ侵攻を続けるロシアとの関係緊密化に西側諸国から批判が高まっている。
ラトビア外務省は、対中協力の枠組みに引き続き参加するのは「現在の国際環境においてわれわれの戦略的目標にもはや合致しない」と述べた。
同国とエストニアはいずれも、ルールに基づく国際秩序と人権を尊重しつつ、「中国との建設的かつ実際的な関係」に向けて引き続き取り組む考えを示した。
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