日本と台湾がペルーとインドでチャーター機へ双方搭乗の助け合い

 3月28日(現地時間)、南米のペルーで武漢肺炎(COVID-19)の感染拡大による国境封鎖のため足止めされていた日本人旅行者260人のうち29人が台湾の手配によるチャーター機に搭乗して出国し、米フロリダ州マイアミに移動した。日本人旅行者のうち104人は旅行会社のチャーター機で29日に出国し、メキシコ市に到着したという。

 台湾のチャーター機は、足止めされた台湾人55人を救助するため、駐ペルー台北経済文化弁事処が手配し、台湾側の取り計らいで、日本やシンガポールなどからの旅行者84人が空席に乗ることができたという。なんともありがたい台湾側の配慮だ。

 これを受け、泉裕泰・日本台湾交流協会台北事務所代表はフェイスブックに中文と日文で「29日,新型コロナウイルスに関連し,駐秘魯台北經濟文化?事處が手配したチャーター機に搭乗して,日本人旅行者の一部が無事ペルーを出国できました。友情溢れる台湾側のご協力につき心から感謝を申し上げます」と書き込んだ。

 菅義偉・官房長官も3月30日午前の記者会見で、ペルーから出国した日本人133人のうち29人が駐ペルー台北経済文化弁事処の手配によるチャーター機に便乗して出国できたことに対し「台湾に対して深い謝意の念を伝えております」と述べている。

 その後、出入国を禁止したインドに暮らす日本人を帰国させるため、日本政府がデリー発羽田行きの臨時便を3月29日から4月4日まで1日1便を手配し、この臨時便に空席があった場合に台湾人の予約を受け付けるようにしたそうだ。下記に中央通信社の記事をご紹介したい。

 2011年の東日本大震災のとき、当時、自民党総務会長だった東京都知事の小池百合子氏は5月の連休を利用して台湾に感謝の意を伝えるために赴き、馬英九総統や李登輝元総統に感謝の楯を手渡してきたことがある。

 この年12月の「日台共栄の夕べ」では、小池百合子氏に「日台の絆」と題して講演していただき、200億円を超える義捐金などの台湾からの多大な支援について、これはまさに「雪中送炭」、「苦しい時の友は、真の友」だと述べた。「日本が東南アジアで役割を果たすためには、台湾は不可欠」とも述べ、会場から割れんばかりの拍手が起こった。

 今回のペルーとインドにおけるチャーター機へ日台双方が搭乗便宜を図るという麗しい助け合いに、改めて小池氏が語った「雪中送炭」、「苦しい時の友は、真の友」を思い出した。日台の絆は深い。

◆日本台湾交流協会フェイスブック[3月29日] https://www.facebook.com/JiaoliuxiehuiTPEculture/?ref=page_internal

◆菅義偉・官房長官の記者会見[3月30日午前 12分4秒] https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202003/30_a.html *ペルーの件は6分50秒〜7分59秒

—————————————————————————————–台日、インドでも助け合い 在留台湾人、日本の臨時便で出国可能に【中央通信社:2020年3月31日】

 (ニューデリー中央社)新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため全土が封鎖されたインドに滞在する台湾人が、日本政府が手配した臨時便に同乗して出国できる見通しとなった。駐インド代表処(大使館に相当)が明らかにした。

 インドでは25日から約3週間、出入国を禁じるとともに、工場や会社なども原則的に閉鎖された。現地で暮らす日本人を帰国させるため、日本政府はデリー発羽田行きの臨時便を手配。日本航空が29日から来月4日まで1日1便を運航している。駐インド代表処によると、同処の要請を受けた日本航空が、空席があった場合、台湾人の予約を受け付けることに同意したという。希望者は電話で事前予約した後、インディラ・ガンディー国際空港でパスポートを提示した上で航空券を購入できる。

 この知らせは30日、田中光・駐インド代表(大使に相当)がインドやバングラデシュなど南アジアに拠点を置く台湾企業・台湾人団体に伝えられた。

(康世人/編集:塚越西穂)

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