今朝の産経新聞によれば、政府は李登輝前総統の来日に対してビザを免除する方針を決
めたという。
すでに李登輝前総統のノービザ来日に関しては、1月26日、日本の駐台湾大使館に相当す
る交流協会台北事務所(池田維所長)によってビザ申請が不要であることを明らかにされ
ている。
これでよいのである。私どもがこれまで何度も訴えてきたように、李登輝前総統はすで
に民間人なのであり、家族と一緒の観光旅行なのだから、政府のこのような対応がもっと
も妥当である。
杉浦正健法相は「一般の旅行者と同じだ」として、条件をつけない考えを示したそうで
あるが、これもまた当たり前である。私どもは無条件入国を政府に要望してきたが、よう
やくそれが実現するようだ。
ただし、日本は台湾と国交がないからといって、李登輝氏は台湾の総統職にあった元首
経験者である。国交のあるなしにかかわらず、民間人とはなっても、VIPであることに
は変わりがない。政府は、李登輝前総統やご家族に危害を加えるようなテロ行為を未然に
防ぐ万全の措置を講じなければならないこともまた当たり前のことである。
当たり前のことが当たり前にできる、そんな状況が生まれつつある。その点で、政府の
これまでの対応は高く評されてよい。 (編集部)
李登輝氏のビザ免除−政府「一般旅行者と同じ」
【3月18日 産経新聞】
政府は十七日、五月に観光目的で来日を計画している台湾の李登輝前総統に対し、査
証(ビザ)を発給せずに入国を認める方針を決めた。政府関係者が明らかにした。総統退
任後、李氏の来日は三度目だが、ビザなしで実現するのは初めて。
政府は昨年九月、台湾観光客の九十日間の査証免除措置を決めたが、李氏の入国につい
ては台湾側との事前協議の対象としていた。しかし、政府は李氏についても例外扱いすべ
きでないとの「現実的な判断」(政府関係者)に至った。
李氏の来日時におけるビザ免除について、麻生太郎外相は十七日の参院予算委員会で、
「別に問題視することではない」と述べた。杉浦正健法相も「(李氏は)もう一般の民間
人であり、一般の旅行者と同じだ」と、条件をつけない考えを示した。
李氏は五月十日から二週間程度の日程で来日し、仙台市や栃木県日光市などを観光する
予定。周辺には「『奥の細道』を歩きたい」と語っており、東京に立ち寄るかどうかにつ
いては言及していない。李氏は、平成十六年暮れから十七年初めにかけて観光目的で来日
した。病気治療目的で来日した一度目の訪問を含め、私的訪問であったにもかかわらず、
ビザ発給をめぐって中国側の反発を招き、日本政府内で議論が起きていた。