安倍総理辞任に蔡英文総統らがコメント 安倍総理の台湾に関する主な発言

 8月28日、安倍晋三総理が持病悪化のため、任期を1年ほど残して辞意を表明した。台湾からはその日のうちに蔡英文・総統、頼清徳・副総統が日本語でTwitterに投稿、身体の回復を祈るとともに、これまで日台関係の深化につとめたことへの感謝の念をつづっています。

 謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表(駐日台湾大使に相当)もFacebookに中文で、安倍総理が台日関係の促進に多大な貢献をしたと称えるとともに、複数回にわたって台湾の世界保健機関(WHO)への参加を支持したことや、個人のツイッターと書簡を通じて蔡英文・総統の当選と再選に祝意を表明したこと、台湾で地震などの自然災害が発生するたびに慰問の意を表したことなどをつづり、日台断交後、台湾にもっとも友好的な首相だと讃えています。

 一方、日本は安倍政権において初めて台湾を「緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナー」と位置づけ、また、安倍総理の政治主導により、1996年以来の日台間の懸案事項だった「日台民間漁業取決め」(日台漁業協定)を締結ました。謝長廷代表も「過去4年、台湾の漁船が日本の海上保安庁に拿捕されるという不愉快な事件も発生しませんでした」と感謝の念を表明しています。

—————————————————————————————–◆蔡英文総統:Twitter[8月28日] 安倍総理は在任中において台日関係に多大なる貢献をされ、今後どんな立場においても台湾にとってもっと も大事な友人であります。これからも、ともに台日関係をさらに強化していきたいと思います。どうぞお体 を大事に、治療によって体調が万全になるように祈っております。

◆頼清徳・副総統:Twitter[8月28日] 安倍首相の辞意表明を名残惜しく思います。在任中の台湾への支援により、台日友好が更に深まったことに 感謝いたします。今はご健康が一番大切です。辞任後ゆっくり静養され、回復された後、直接お目にかかる 機会があることを願っています。

◆謝長廷・台北駐日経済文化代表処:Facebook[8月28日] 日本安倍首相剛剛因健康因素宣布請辭。他是一位意志堅強,有願景有魄力的領導者,迄今是在任期間最長的 首相,但他修憲和復興經濟榮景的願望還未達成,竟因過勞而舊疾復發不得不宣布辭去首相職位,我們深感婉 惜。 安倍首相在任内,對深化台日關係貢獻很大,他曾多次表達對台灣加入WHO等國際組織的支持,並透過私人推特 或信函祝賀蔡英文當選總統及連任,也曾在台灣發生地震等天然災害時,表達慰問,並親書「台灣加油」鼓勵 台灣受災民?,最近並在新型肺炎疫情發生時,在推特上和蔡英文總統互相表達關懷和鼓勵。可以説是日本和 中華民國斷交以來,對台灣最友善的首相。 對駐日代表處和我個人而言,在安倍首相主政下,這四年多來台日關係的友好,達到高峰,各種交流順利進行, 館産恢復登記等懸案也得到解決,也未發生台灣漁船被扣押等不愉快事件,在此表達最誠摯的感謝,也祈?其 身體早日康復。

◆安倍晋三総理の台湾に関する主な発言

2011年9月7日:第1次内閣後の下野時代「日本と台湾はともに共通の価値観を持つ重要なパートナー」(台湾安保協会「国際シンポジウム」基調講演)

2013年3月11日:第2次安倍内閣「台湾は世界のどの国よりも多額の200億円を超える義援金を贈ってくれた大切な日本の友人」(東日本大震災2周年追悼式)

2013年4月10日:安倍総理の政治主導により、交流協会と亜東関係協会が「日台民間漁業取決め」(日台漁業協定)を締結。

2013年5月31日:「台湾は日本の重要なパートナー」(日台観光サミット)

2015年4月29日:「1980年代以降、韓国が、台湾が、ASEAN諸国が、やがて中国が勃興」(米国連邦議会上下両院合同会議演説)

2015年7月29日:「基本的な価値観を共有する重要なパートナーであり、大切な友人」(参院・平和安全法制に関する特別委員会)

2015年8月14日:「インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々」(戦後70年談話)

2016年1月18日:「心から祝意を表明したい。今後、日本と台湾の協力、人的交流がさらに進んでいくことを期待している」(参議院予算委員会)

2016年5月20日:「台湾との関係に関する我が国の基本的立場は、昭和47年の日中共同声明第3項を踏まえ、非政 府間の実務関係として維持するというものである。政府としては、このような基本的立場に基づき、我が国との間で緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーである台湾との間においてこのような実務関係が着実に発展していくことを期待している」(江口克彦・参院議員による「日台関係及び『日台関係基本法』の制定に関する質問主意書」に対する答弁書)。

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