台湾外交部がNHKに対し「不当表記」として改善を要求

 昨日の本誌で取り上げたNHK NEWS WEBの特設サイト「新型コロナウイルス」のメニューバーに台湾が中国と併記され「中国・台湾の状況」と表記されていることに、台湾の外交部は2月23日、「不当な表記」だとして改善を求めたという。その素早い対応に驚かされた。

 中央通信社は全日本台湾連合会がNHKに抗議いていることや、東京外語大准教授の小笠原欣幸氏も表記が不適切だとの見方を示していることを報じている。

 1月20日に掲載が始まった記事を見てみれば、約300本の記事のうち台湾は9本にすぎない。多くが中国の記事だ。これだけでも中国と台湾を併記して掲示することが不適切であることは明々白々だ。台湾を併記する理由は見当たらない。台湾の記事はその隣の「世界では」に振り分けるのが妥当だろう。

 ましてや併記することで、あたかも台湾が今回の武漢肺炎こと「COVID(コヴィット)19」の元凶とみなされかねず、台湾が早々に厳格な対策を取って対処していることをも無にしてしまう懼(おそ)れもある。

 NHKは事の重要性をしかと認識し、早急に「中国・台湾の状況」を書き改め「中国の状況」とすべきだ。

◆NHK NEWS WEB:特設サイト「新型コロナウイルス」 https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/?utm_int=detail_contents_news-link_001

—————————————————————————————–NHK、新型コロナ特集で台湾を中国と併記 外交部が関心を表明【中央通信社:2020年2月23日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202002230004.aspx

 (台北中央社)NHKが新型コロナウイルスに関する特設サイトで、各地の感染状況に関する報道の分類で「中国・台湾の状況」と表記している。台湾の状況が中国に含まれているような印象を与えると在日台湾人などは指摘している。台湾の外交部(外務省)は23日、「わが国に関する不当な表記」だとし、NHKに対し台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)を通じて「厳正に関心を表明した」と説明した。

 NHKの表記については、インターネット上で批判の声が上がっている。在日台湾人団体の連合組織「全日本台湾連合会」は22日、ツイッターで強い抗議の意を示し、NHKに抗議文を出すようネットユーザーに呼び掛けた。

 台湾政治に詳しい東京外語大准教授の小笠原欣幸氏も22日、自身のフェイスブックで「台湾は政府と社会の必死の努力で感染者数を26人(21日時点)に押さえ込んでいる」と指摘。台湾と中国の政治は互いに独立しており、感染に対する対応措置も全く別だとした上で、NHKの表記は不適切だとの見方を示した。

 外交部は、NHKに情報を正すよう改善を促したと回答。日本は天皇誕生日に伴う連休中で、NHK側は連休が明け次第、すぐに検討するとの立場を示しているという。同部と駐日代表処は状況の注視を続けるとしている。

(編集:楊千慧)

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