昨日(2月24日)夕方、NHKが台湾外交部や全日本台湾連合会の抗議を受け入れ、特設サイト「新型コロナウイルス」の掲示名の一つ「中国・台湾の状況」の表記を修正した。メニューバーから「中国・台湾の状況」を削除し、また「世界では」も削除し、新たに「世界の状況」というメニューバーを設けた。
なんとも素早いNHK側の対応だ。それも、休日にもかかわらずだ。台湾の外交部などから中国と台湾を併記していることが「不当表示」に当たるとの抗議を受け、また「中国」と名指していることはまずいという判断もあったのだろう、それを合わせて解消しようと新たに「世界の状況」を設けたようだ。
修正前の7つの掲示名と修正後の7つの掲示名は下記のとおりだ。
修正前:「すべて」「日本では」「クルーズ船」「経済影響」 「中国・台湾の状況」「世界では」「特徴・注意点」
修正後:「すべて」「国内感染状況」「国内影響」「経済影響」 「特徴・注意点」「クルーズ船」「世界の状況」
NHKと言えば、2009年4月に起こった「JAPANデビュー問題」(NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第1回 アジアの“一等国”)を思い起こす人も少なくないと思われる。このときは裁判に訴え、高裁では私どもの主張が通って勝訴したが、最高裁で敗訴となった。
いまでも、日本が一方的に台湾人を弾圧したとするような史観で番組を制作することは、公共放送として許されるべきではないと考えているが、そのときのNHKのかたくなな対応と比べ、柔軟になったという印象は否めない。
今回のNHKの迅速な対応をよしとし、今後、台湾に関して同じような不適切な表記をしないよう願いつつ、一件落着としたい。
◆NHK NEWS WEB:特設サイト「新型コロナウイルス」 https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/?utm_int=detail_contents_news-link_001
—————————————————————————————–【NHK特設サイト】『新型コロナウイルス』特設サイトの「台湾」と「中国」の併記問題について、NHK側の迅速な対応を評価する
この度、全日本台湾連合会は、NHK特設サイトのコロナウイルス感染状況を説明するカテゴリー分けの中の「中国・台湾」という間違った併記を発見し、2020年2月22日深夜、同社に抗議文を送信した。感染発生国中国と、防疫に奮闘し成功している台湾を一括りにするのは全くナンセンスだからである。
続いて全日本台湾連合会所属の各団体が抗議の声を上げ、同時に自由時報が報道したこと、並びに翌23日には事の重大性を察した台湾外交部が抗議したことが功を奏し、NHKを動かしたと思われる。
連休中にも拘らず、台湾人の抗議を真摯に受け止め、迅速に対応し、問題の併記を訂正したNHKを評価します。
台湾は中国の一部ではないので、今後は事実と違う表記・併記の再発防止を強く呼びかける次第です。
全日本台湾連合会 会長 趙 中正 常務理事会一同 2020年2月24日
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