台湾・桃園国際空港と石川県・小松空港間に10月から定期便が就航の見通し

宮元陸県議らの尽力により週2便からはじめて4便に増便予定

 本日付の「北國新聞」によれば、石川県の小松空港と台湾の桃園国際空港を結ぶ定期
便が10月にも就航の見通しとなった。「中華航空が乗り入れ、乗客数が安定するまで週
二便運航し、その後、週四便とする」という。

 石川県金沢市は、台湾の人々に今でも尊敬されている八田與一技師の生地であり、こ
れまで「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」や金沢ライオンズクラブ、日台友好促進
石川県議会議員連盟などが交流を積み重ねてきた。李登輝前総統も前回の訪日の際に金
沢を訪問されている。昨年12月には石川県議会と台南県議会が日台初の友好交流協定を
締結するなど、台湾との交流は深い。

 特に小松−台北間の定期便化については、一昨年9月に設立された「日台友好促進石川
県議会議員連盟」の働きかけが大きい。

 本会理事で李登輝学校研修団一期生でもある宮元陸・議連事務局長らは、昨年1月、李
前総統にも定期便就航のお願いに上がり、「李前総統は『定期便になるために頑張りまし
ょう』と笑顔で快諾されました。これがどれほど私たちの励みとなったことか、自ずと
頭が下がりました」(機関誌『日台共栄』第16号)と報告している。

 就航が本決まりとなり、森喜朗元首相や宮元陸県議ら関係者の喜びはいかばかりだろ
う。これまでのご尽力に感謝するとともに、定期便化により、宮元県議らの念願である
石川県と台南県の姉妹県交流実現を心から祈念したい。

 以下に昨日付と本日付の北國新聞記事をご紹介したい。         (編集部)


10月就航目指す 小松―台湾定期便
【6月30日 北國新聞】

 【台北29日=吉免宏樹】小松空港と台北市の台湾桃園国際空港を結ぶ定期便が、十月
の就航を目指す見通しとなった。中華航空が乗り入れ、乗客数が安定するまで週二便運
航し、その後、週四便とする。中華航空の魏幸雄会長が二十九日、「日本側の正式な許
可が下り次第、一カ月以内にも運航させたい」と、台北市を訪れている小松商工会議所
の経済視察団との交流懇談会で明らかにした。

 定期便の機材は現在運航されているチャーター便と同じボーイング737−800型機で、
計百五十六人乗りとした。

 台湾では旅行人気が高まっており、魏会長は石川県内の温泉地や紅葉のほか、若者に
人気のスキー場などが魅力であるとし、「金沢を中心とする世界遺産が決定すれば需要
はさらに増える」との見解を示した。旅行客確保については「小松商工会議所と協力し、
台湾や石川で全力を挙げてプロモーションイベントを展開したい」と話した。魏会長と
趙國帥社長は定期便就航後、年内にも来県する意向を示した。

 懇談会では、河越清次会頭が「経済交流の促進を図っていきたい」とあいさつ。魏会
長は「森(喜朗)元首相の積極的な協力もあり、近いうちに念願は達成できる」と述べ
た。

 西紀幸副会頭から釉裏金彩人間国宝吉田美統氏のつぼと小松市水墨画協会員の高村外
敞氏の水墨画が贈呈された。伊藤貞之副会頭の発声で乾杯し、板尾昭栄副会頭の音頭で
万歳三唱した。一行は同日、台北市の工業技術研究院を視察し、太平洋そごう忠孝店で
開催中の「加賀・能登伝統工芸品展」で九谷焼や輪島塗、金沢金箔(きんぱく)など石
川の伝統工芸をPRした。

写真:定期便就航に向け、魏会長(中央)らと握手を交わす小松商工会議所正副会頭ら
   一行=台湾・台北市内のホテル
http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20070630101.htm


中国政府、正式に了承 小松と台湾結ぶ定期便開設 今秋就航へ調整加速
【6月29日 北國新聞】

 外務省に入った連絡によると、中国政府は二十八日、小松空港と台湾の台北を結ぶ定
期便の開設を正式に了承すると、外務省に伝えた。関係筋が明らかにした。これに伴い、
今秋の就航に向け日本国内での調整が加速するとみられる。

 小松空港は、航空自衛隊小松基地と飛行場を共用していることから、今後、国土交通
省と防衛省との間で乗り入れに向けた調整が進められ、開設の時期や運航ダイヤが決定
する見通し。
 小松―台湾定期便の開設については今年三月、日台間の非公式航空交渉で基本的に合
意に達し、中国側も非公式ながら「了承する」と日本側に伝えていた。関係筋によると、
中華航空が乗り入れるとみられ、最大で週四便が運航する。

 県内では台湾便の実現に向け、各団体が当地を訪問。地元の強い要望を受けた森喜朗
元首相も昨年十一月、台北市内で陳水扁総統、中華航空の魏幸雄董事長と相次いで会談
し、台湾と日本政府の橋渡しをした。