【産経新聞:2024年10月31日】https://www.sankei.com/article/20241031-CW7HGWOVDFO2PDF2VQPWFNH6YI/
11月4日から英国・グラスゴーで開催される国際刑事警察機構(インターポール)第92回総会に先立ち、台北駐福岡経済文化弁事処(福岡市)トップの陳銘俊処長(総領事に相当)が、台湾当局のインターポールへの参加を求める文書を、産経新聞に寄稿した。
陳処長の寄稿は以下の通り。
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近ごろ、日本の一部地域では闇バイトによって連続強盗事件が発生し、社会がパニックに陥っている。
また、警察庁が発表したデータによると昨年、日本全国で発生した「特殊詐欺」事件の被害総額は450億円を超えている。
国民生活に密接に関わるこれらの重大な社会事件には、高度な技術、国境を越えた組織、国際的なマネーロンダリングなどの犯罪手法が使われており、多国間の法執行官が協力して取り締まることが急務である。
その多国間協力が必要となる中、台湾は中国の妨害により、1984年以来警察協力の促進と国際犯罪の防止を目的とするインターポールの関連会議や技術活動に参加することができず、その結果、世界における越境犯罪との闘いにおいて効果的な成果を上げることができなかった。
しかし、ますます横行し、変化し続けるテクノロジー犯罪の台頭に対し、台湾の技術力は国際犯罪との闘いに効果的な資源を提供できる。
台湾の参加は、世界の安全保障システムにとって重要なパズルのピースである。
台湾は世界第2位の半導体生産地で技術大国でもある。
北東アジアと東南アジアの交差点に位置し、人材や物流、資本の流れの中枢でもある。
台湾の参加なくして、インターポールの国際犯罪防止の機能は望み通りに実現できない。
台湾と日本は緊密で友好的な関係にあり、両国の社会安全と平和を心より望んでいる。
このため、日本の新たな犯罪形態に技術面や情報面での協力を惜しまない。
実際、2021年に「全国日台友好議員協議会」は台湾の「インターポール」への参加を支持する宣言を採択し、22年には日本を含む50カ国も同じ内容の声明を発表した。
日本の台湾駐在機構もまたフェイスブックで支持を表明している。
昨年の先進7カ国(G7)外相会合と「日英外相・国防相会談」の共同声明でも、公然と台湾の国際的な参加への支持を表明した。
23年3月16日、台湾と日本は「法務司法分野における交流と協力に関する覚書」に調印し、両国の警察と司法の分野でより緊密な協力を行うようになった。
台湾と日本の警察・司法関係者の交流と協力、および情報交換を通じた国際犯罪との闘いにおける双方の連携を基礎として、台湾のインターポールへの有意義な参加を支持し、国際的な警察・司法協力の強化を通じてセーフティーネットを改善し、法秩序を共に維持することを、日本社会および国際社会の各界各層に願う。
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陳銘俊(ちん・めいしゅん)1964年3月、台湾東部、花蓮県生まれ。
台北市の中国文化大韓国語学科を卒業後、台湾外交部入り。
大阪外国語大(現大阪大)や慶応大への留学経験がある。
カリフォルニア大学バークレー校、ハーバード大学客員研究員。
許世楷・台湾駐日代表(当時)の補佐官や台北駐ボストン経済文化弁事処の副処長などを歴任した。
2021年10月から現職。
趣味は語学研究。
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