台湾との絆を深める静岡県

昨日の本誌で、2013年7月31日に台北市と「観光交流都市協定」を締結した静岡県浜松市(鈴木
康友市長)は、8月26日から訪台し28日に、浜名湖と南投県内にある日月譚(じつげつたん)が友
好交流協定を締結することをお伝えした。

 静岡県が台湾との交流に熱心な様子は本誌でもたびたびご紹介しているが、日本経済新聞がこれ
に注目し、静岡県内の自治体が相次いで台湾へトップセールスに訪れていると報じている。下記に
その記事をご紹介したい。

 静岡県と台湾の交流は、1986年1月に大井川鐵道と阿里山森林鉄道が姉妹鉄道を提携したもの
の、経済学者の川勝平太氏が静岡県知事に当選した2009年、この年の6月に静岡空港が開港し、翌
2010年3月に台湾から静岡空港へのチャイナエアラインの定期便が就航したことで本格的に始まっ
たと言っていいだろう。

 2011年3月1日、千葉県幕張でアジア最大の見本市として「国際食品・飲料展(FOODEX JAPAN
2011)」が開かれ、台湾パビリオンにブースを出した蘇治芬・雲林県長や張花冠・嘉義県長などが
来日した。張花冠県長はその足で川勝平太・静岡県知事を県庁に訪ねている。翌2012年3月にも、
FOODEX JAPAN 2012のために来日した張花冠県長は川勝知事を訪ねている。いずれも、嘉義県と静
岡県の交流促進を目的とした訪問だった。

 静岡県は県企業の活動支援などを目的として、中国(上海)には1994年10月、韓国(ソウル)に
は2007年6月、東南アジア(シンガポール)には2013年6月、それぞれ海外駐在員事務所を設けてい
る。

 台湾に駐在員事務所として「ふじのくに静岡県台湾事務所」を開設したのは2013年4月22日。東
南アジア駐在員事務所が開設される2ヵ月前のことで、観光誘客、観光PR、台北航空路線の利用
拡大、青少年交流支援、県産品販路拡大などを目的として、台北市内(台北市中山区南京東路二段
137号 連邦商業ビル13階)に設けている。県レベルの駐在員事務所の開設は、静岡県が初めて
だった。

 それまでも、静岡県は台湾と、観光を中心に野球、マラソン、自転車、ペタンク競技などのス
ポーツ交流や青少年交流など、多様な事業が進めてきていた。

 この年3月21日には川勝知事が教育をテーマに訪台し、教育部(文部科学省に相当)の黄碧端・
政務次長と意見交換している。

 また8月26日には、台北市内のホテルで「防災会議」を開催し、防災分野における情報交換およ
び相互支援交流を進めるため、台北市、新北市、台南市、桃園県、嘉義県の3市2県と「防災分野に
おける覚書」に調印している。日本の自治体が防災分野で台湾の自治体と防災覚書を締結するのは
初めてのことだった。翌2014年2月17日には、台北市、新北市、台南市、桃園県、基隆市、嘉義県
の4市2県と正式な「防災に関する相互応援協定」を締結するに至っている。

 一方、富士山と玉山という最高峰同士の交流も進められ、2013年4月22日に日本富士山協会と中
華民国山岳協会が「富士山と玉山の友好山提携の協定締結に向けた覚書」を結び、翌2014年2月7日
には正式に友好山を提携、観光や交流事業に連携して取り組むことになった。

 浜松市が2013年7月31日に台北市と「観光交流都市協定」を締結した背景には、以上のような経
緯がある。観光客誘致という大きな目的はあるものの、決してそれにとどまらない交流を展開して
いる。

 昨年(2015年)11月1日には静岡県西伊豆町(藤井武彦町長)は澎湖(ぼうこ)県(陳光復県
長)と、澎湖県議会の劉陳昭玲議長や澎湖訪問5回目となる静岡県伊東市の佃弘巳市長による立ち
合いの下、友好交流提携書に調印している。今後も、静岡県の自治体においては台湾との都市間提
携が結ばれる可能性は大きい。川勝知事が台湾との交流を牽引している限り、今後もさまざまな提
携が結ばれるだろう。

 その点で、今年の3月下旬、静岡県遠州地方の浜名湖北岸の掛川駅から新所原駅までの67.7キロ
メートルを走る「天竜浜名湖線」が台湾鉄道と友好協定を結ぶ予定だったが、まだ締結されていな
いようなので、この実現も静岡県と台湾をさらに強く結びつけていくことだろう。

 末筆となってしまったが、静岡県の袋井市(原田英之市長)は、二峰圳という地下ダムを屏
東に造った鳥居信平(とりい・のぶへい)の出身地であることを忘れてはならない。後藤新平や新
渡戸稲造の胸像を制作した許文龍氏自らこの鳥居の胸像も造っている。袋井市はこの胸像を縁とし
て、屏東県との交流を続けている。

 静岡県と台湾は、お茶はもちろん、日本で唯一、駿河湾のみで水揚げされている桜海老が台湾の
屏東沖で水揚げされていることなども交流の契機となることも考えられ、今後の交流に大きな期待
感を抱かせる。

◆ふじのくに静岡県台湾事務所
 〒104-85 台北市中山区南京東路二段137号 連邦商業ビル13階
 TEL:+886-2-2508-1515 FAX:+886-2-2503-5303
 E-mail:shizuoka.tw@gmail.com
 *松江南京駅(MRT)から徒歩3分、車で10分〜15分


直行便で観光に来て 県内自治体、台湾へ相次ぎトップセールス
【日本経済新聞:2016年8月20日】

 静岡県内の自治体が相次ぎ、台湾へ観光誘致のためのトップセールスに訪れている。7月に御殿
場市、8月末には浜松市の市長が台湾を訪問。3月には川勝平太知事も訪れた。台湾は静岡空港と直
行便で結ばれ、富士山や人気アニメ「ちびまる子ちゃん」などの知名度も高い。積極的な観光振興
策でインバウンド(訪日外国人)の旅行需要を喚起する。

 浜松市の鈴木康友市長は26〜30日に台湾を訪問し、観光名所として知られる湖「日月潭(にちげ
つたん)」と浜名湖との友好交流協定を結ぶ。日月潭は台湾を代表する風光明媚(めいび)な観光
地。遊覧船やロープウエー、サイクリングコースがあるなど、浜名湖との共通点が多い。今後は相
互に湖の魅力を発信し、民間交流を促す。

 鈴木市長は2013年に観光交流都市協定を結んだ台北市長とも会談。食品プロモーション事業や市
の観光説明会、現地旅行会社へのトップセールスなども行う。川勝知事も同行する。

 7月に台湾を訪れたのは御殿場市の若林洋平市長。同市は20年東京五輪・パラリンピックで、台
湾の選手と地元住民との交流を促す「ホストタウン」に登録されている。現地では旅行会社や競技
団体などを訪問し、ゴルフ旅行や選手団の合宿誘致などをPRした。

 7月6日には訪台に先立ち、市内の小中学校の給食で「台湾バナナ」を約9000本提供した。今後も
給食で毎月提供する計画で、農産物の相互流通の拡大も目指す。

 川勝平太知事も3月、嘉義県で開かれた「世界お茶博覧会」にあわせて台湾を訪問し、茶産業を
通じた相互交流を呼びかけた。15年5月には佃弘巳・伊東市長など伊豆半島12市町の首長がそろっ
て台北を訪れ、自らパンフレットを配って観光地をPRした。首長12人がいっせいに海外に出向く
のは初めて。佃市長は11月にも台湾を訪れた。

 国土交通省中部運輸局によると、15年の県内の外国人延べ宿泊者数は約176万人。台湾からは約
16万人と前年比18%増加し、地域別では中国に次ぐ2位だ。ローカル線の天竜浜名湖鉄道(浜松
市)は15年、台湾で使われる繁体字の観光パンフレットを作成した。

 静岡空港と台湾の直行便は12年に運航が始まった。団体ツアー客の利用で搭乗率は6〜7割程度で
安定。13年に週3便から週4便に増便された。アニメの世界を体験できる「ちびまる子ちゃんラン
ド」(静岡市)などが旅行客の人気を集める。

 県は13年に現地事務所「ふじのくに静岡県台湾事務所」を台北に開設。14年には台湾の最高峰・
玉山(ぎょくさん)と富士山との間で「友好山提携」が結ばれるなど、観光連携を強めている。


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