て「観光交流都市協定」に調印した。これで日台の自治体同士の姉妹提携は、今年6月12日
に長野県松川村(まつかわむら)と彰化県鹿港鎮(ろっこうちん)が結んだ「友好都市提
携」に続き26例目となった。心から祝意を表したい。
この協定締結については中日新聞の静岡県版も伝えているが、台湾の中央通信社のニュ
ースがより詳しく報じているので下記に紹介したい。
報道によれば、浜松市にとっては中国の瀋陽市と杭州市に続く3市目となり、「観光情報
の発信強化や観光団体との協力推進、経済交流の促進、青少年事業の相互参加など8項目。
有効期間は5年間だが、両市から終了の申し出がない限り自動更新される」(中日新聞・静
岡県版)という。
浜松市の鈴木市長は7月23日の定例会見で、台北市との「観光交流都市協定」は外国人旅
行者を地元へ誘致する「海外インバウンド事業」の一環であることを強調し、下記のよう
に述べている。
≪本市は、中国、台湾、韓国、タイなどをターゲットとした海外インバウンド事業を推進
してきており、台北市とは、モザイカルチャー世界博や台北国際花卉(かき)博覧会、都市
自治体連合の会合などにおいて、交流を続けてまいりました。
2011年11月の「日台オープンスカイ協定」により、中部国際空港や富士山静岡空港の台
湾定期便が増便され、今後も台湾からの訪日客の増加が見込まれています。そこで、本市
といたしましては、今後、更なる交流人口の拡大と相互交流の促進を図るため、台北市と
の観光交流都市協定締結に至りました。
今後は、台北市が主催するイベントなどへ出展することにより、本市の認知度向上を図
るとともに、サイクリング、音楽など本市の強みを活かした誘客を進めてまいります。≫
ちなみに、観光に特化した日台の自治体提携は、2009年1月に日光市と台南市が結んだ
「友好都市協定」を嚆矢とし、最近は長野県と高雄市が締結した「教育・観光交流覚書」
(2012年11月1日)をはじめ、群馬県が昨年12月から今年3月にかけ、立て続けに彰化県、
台中市、高雄市と結んだ教育・観光・農業分野などでの協力を強化しようとする「経済分
野における友好協力に関する協定」に現れているように、観光客誘致の色合いが強くな
り、日台の歴史的なつながりや人的関係を背景として結ぶケースは減っている。この浜松
市のケースはその典型といえる。
それでも各協定では、観光交流だけにとどまらず、青少年交流なども必ず謳われている
ことから、それが日台の将来を担う中学生や高校生の台湾への修学旅行など、教育交流に
発展していくことを期待したい。
なお、日台の姉妹都市交流については、本会ホームページの「姉妹都市交流」で締結の
いきさつなどを詳しく紹介している。
◆姉妹都市交流
http://www.ritouki.jp/sister-city.html
●=赤におおざと(●龍斌 かく・りゅうひん)
台湾・台北市と浜松市、「観光交流都市協定」を締結
【中央通信社:2013年8月1日】
http://news.livedoor.com/article/detail/7915739/
【写真】31日の調印式で笑顔を見せるカク龍斌台北市長(右)と鈴木康友浜松市長=台北
市政府提供
(台北 1日 中央社)台北市と静岡県浜松市は7月31日、観光を柱とする交流の緊密化に向
け、「観光交流都市協定」を結んだ。
台北市の市政府ビルで行われた調印式には、協定に署名したカク龍斌台北市長と鈴木康
友浜松市長のほか、太田康隆・浜松市議会議長や呉碧珠・台北市議会議長、趙心屏・台北
市観光伝播局長らも出席した。(カク=赤におおざと)
浜松市との交流について、カク市長はそのよい例として2010年の台北花博を取り上げ、
2004年に浜松市で開催された国際園芸博覧会の経験を参考に、台北花博では900万人もの入
場者数を記録するなど成功裏に閉幕することができたと紹介した。
浜松市ではこの10月、台北温泉フェスティバルへの参加を予定しており、また、来年8月
浜松市で行われる青少年を対象とした国際音楽祭では、台北市から中学生らが訪れパフォ
ーマンスが披露されることになっていると述べ、今回の協定締結をきっかけに両市の交流
が一層深まることに期待を示した。
交通部観光局の統計によると、台湾への日本人旅行者は昨年は約143万人と過去最多を更
新、うち98%が台北を訪れている。さらに、昨年3月に台北(桃園)─静岡を結ぶ直行便が
就航したこともあり、相互の訪問者数のさらなる増加が見込まれている。
(黄麗芸/編集:羅友辰)