昨日の本誌で、台湾の游錫●・立法院長の与那国島へのフェリー訪問が最終調整の段階に入ったことをお伝えした。検疫や入国管理の職員が石垣市から与那国町に派遣され、フェリーが入る予定の祖納港岸壁の使用許可も沖縄県からすでに出ているという。(●=方方の下に土)
游立法院長は6月8日のラジオ番組で、「日本から多くの観光客が台湾を訪れ、また台湾からも与那国島へ訪れる人が増えれば、与那国島の経済も潤う」として、与那国島と宜蘭の間の旅客船運航をめざしているという。
実は、石垣市(中山義隆市長)も台湾の基隆市を結ぶ定期航路フェリーの開設を検討しているそうで、7月に検討委員会を開くそうだ。
石垣市には、出入国の際に必要な「税関・入国管理・検疫」という手続き機関も整っており、台湾船籍の高速船が石垣港に入港した実績もある。残るは採算ベースに合うかどうかだ。
ちなみに、石垣市の中山義隆市長は、李登輝元総統が2016年7月30日に曾文恵夫人や長女の李安娜さんなどを伴って石垣市を訪問したときの「李登輝先生沖縄県石垣市招聘事業実行委員会」の副委員長で、委員長の吉田信解・埼玉県本庄市長とともに中心メンバーとして訪問を成功裡に導いている。
また、これがきっかけとなって、中山市長は「日台共栄首長連盟」(会長:宮元陸・加賀市長)では副幹事長として吉田信解・幹事長とともに同会を牽引している。石垣島と基隆市を結ぶ定期航路フェリーが開設されれば、日台共栄首長連盟に加盟する138自治体も応援することになるだろう。開設を心から期待したい。
—————————————————————————————–台湾との定期航路、開設へ 石垣市、検討委を設置 「ナッチャン・レラ」使用【八重山日報:2023年6月21日】https://yaeyama-nippo.co.jp/archives/21173
石垣市の中山義隆市長は20日午後の定例会見で、同市と台湾の基隆市を結ぶ定期航路フェリーの開設を検討する委員会を設置すると発表した。来月に1回目の会議を開催する予定。市は新型コロナウイルスが5類感染症に移行されたことで本年度から航路開設の検討に入った。観光振興などを図るため、関係者から意見を聴取する。使用する船舶の候補は、台湾船籍の高速船「ナッチャン・レラ」。2016年5月14日に石垣港に入港した実績がある。
石垣市は基隆との定期航路開設で、海外からの入域観光客数の大半を占める台湾観光客の誘客促進を目指す。検討する定期航路構想では、約230キロ(約143マイル)を5時間ほどで結ぶ。
検討委のメンバーは現在調整中。内閣府や国交省、金融機関、観光業者、船会社が参加する見通し。航路開設で採算が取れるかなどを議論する。
中山市長は定期航路の開設で「県外から石垣に来た観光客が台湾に行くルートができる」と指摘。空路より安価な価格設定でビジネスチャンスを広げたいと力を込め「修学旅行や団体旅行にも対応可能」と期待した。
ナッチャン・レラは台湾法人のWagonグループが所有するアルミ双胴船。構造上、波高でも安定して航行できる。全長112メートルで時速54キロ(30ノット)。旅客定員は約800人、40フィートコンテナを28台、乗用車100台が積載できる。船内では、免税店や物産展、飲食店などが営業する予定。現在は台湾船籍だが、外国人の船員が乗船できるようパナマ船籍への変更を検討中。船体の大きさから、石垣市に入港する場合、新港地区クルーズ岸壁や貨物船が入港するエリアを使用する見通し。
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