ラビア・カーディル主席の映画上映に干渉する中国に台湾が猛反発

台湾青年反共救国団がラビア・カーディル女史に訪台を要請

 9月22日と23日、台湾の高雄市で「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主席の活
動と歴史的経緯を重ね合わせたドキュメンタリー映画「愛の十の条件(The 10 Conditions
of Love)」が上映された。

 中国はこの上映に対し「民族分裂をはかる分子を美化する映画の上映はテロ暴力犯罪活
動に誤ったサインを送る」と断固反対を表明して猛反対し、観光客の高雄訪問を中止させ
るなどの強硬策に出た。

 この中国の剣幕と強硬策に恐れをなし、台湾の経済団体や与党国民党が「中国との経済
交流に悪影響が出る」「上映は中国人観光客の減少につながる」として高雄市に中止を要
請した。そこで思い出すのは、「中国との学術交流に支障が出る」との理由を掲げ、李登
輝元総統の慶応大学講演を中止に追い込んだ大学側の対応だ。いずこも、媚中派の反対理
由はよく似ている。

 しかし、陳菊・高雄市長は「上映を中止すれば言論の自由を重視する市のイメージに傷
が付く」として、10月半ばに予定していた高雄市主催の映画祭での上映を前倒しして上映
を決行したのだった。

 一方、台湾の民間団体・台湾青年反共救国団がラビア・カーディル主席に訪台を要請し、
ラビア主席はこれを受け入れたと発表したと台湾メディアは伝えている。台湾国際放送ニ
ュースは「呉敦義・行政院長は22日、仮にビザ申請があった場合の対応について、『全体
的な考慮の上、今週中には答えが出るのではないか』と話しており、外交部では、行政院
の判断を尊重する意向」と報道している。

 先に本誌でも毎日新聞の記事で紹介したように、民進党の羅文嘉元立法委員は「何を上
映するかは自分たちの問題だ」と、中国が建国60周年の記念式典で沸く10月1日に台北で
も上映すると発表、この上映の動きは台湾全土に広がりつつある。
                                    (編集部)


広がる台湾映画騒動 ウイグル人作品野党幹部が鑑賞
【9月23日 東京新聞】

 【台北=栗田秀之】亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主
席を扱ったドキュメンタリー映画が二十二日、台湾南部の高雄市で上映され、台湾独立派
の野党民進党幹部が多数鑑賞した。同党は上映中止を求める中国への反発を一層強めてお
り、今後、台湾各地での上映を計画するなど映画をめぐる波紋は広がりそうだ。

 映画は十月の映画祭で上映される予定だったが、中国人観光客のホテル予約キャンセル
が相次ぐなどしたため、高雄市は映画祭とは別に前倒しで上映。陳菊市長は「中国の反対
で中止したら、人権都市高雄のイメージが傷付く」としている。

 この経緯に対し、陳市長が所属する民進党の蔡英文主席は「中国は横暴」と反発。「全
国各地で花を咲かせる」として、各立法委員(国会議員)が自分の選挙区で随時上映でき
るよう調整を進めている。中国建国六十周年(国慶節)の十月一日には元立法委員が台北
で上映する。



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