ウクライナの国会議員が訪台 10月もドイツや米国など6ヵ国42人が訪台

 本誌では、日米首脳会談や先進7ヵ国首脳会議(G7サミット)などで「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」というフレーズが盛り込まれた共同宣言や共同声明などが採択され、それにつれ、台湾と国交のない国の政治家の台湾訪問が急増していることに注視し、台湾の重要度をはかるバロメーターになると思い、5月からその都度ご紹介しています。

 10月は、ドイツ連邦議会による正式な訪問団として超党派の国会議員団6人が10月2日から訪問したことを手始めに、8日には日本から日華議員懇談会の古屋圭司会長をはじめとするメンバー19人、9日にはカナダ議会下院の超党派の国会議員団5人、11日からは米国連邦議会下院の情報特別委員会と軍事委員会の議員4人、10月23日からはドイツ議会人権委員会の正式派遣による超党派の国会議員団6人が台湾を訪問しています。ドイツが1ヵ月に2回も訪台団を派遣してきたのは異例のことです。

 台湾では、10月11日に超党派による「台湾・ウクライナ国会議員友好協会」(41人加入)が設立され、ウクライナ最高会議(国会)の親台湾派グループとオンライン会談を行ったたことを受け、24日からウクライナ最高会議のキラ・ルディク議員が「世界民主運動世界大会」に参加するため台湾を訪問しました。NHKが立法院を訪問したときの模様を報じていますので、下記にご紹介します。

 10月は国慶節が開かれたため日本やカナダの議員団も訪台し、また「世界民主運動世界大会」にはリトアニア議員も参加しています。

 いずれにしても、報道されているだけでも10月は、ドイツ(12人)、日本(19人)、カナダ(5人)、米国(4人)、ウクライナ(1人)、リトアニア(1人)と、6ヵ国から42人が台湾を訪問しました。このような動きが、中国の台湾侵攻への抑止効果を発揮することを願っています。

—————————————————————————————–ウクライナの議員が台湾訪問 “ありえないことにも準備必要”【NHK:2022年10月25日】https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221025/k10013869911000.html

 ウクライナ議会のキラ・ルディック議員は25日、リトアニアの議員とともに台湾の議会 立法院を訪れ、議場を見学したあと、議長にあたる游錫※コン院長と会談しました。

 この中でルディック議員は「ロシアの侵攻前は、皆がそんなことは起きないと考えていた」と振り返ったうえで「われわれは今、非常に大きな犠牲を払っており、皆さんは、このことから学んでほしい」と述べました。

 ロシア軍の侵攻を受けているウクライナについて、中国の軍事的な圧力にさらされている台湾では、多くの人が「ひと事ではない」と受け止めていますが、一方で、中国軍には、まだ大規模な台湾上陸作戦を行う能力がないという見方が一般的です。

 しかし、ルディック議員は「どんなにありえないと思うことにも準備が必要だ」と述べ、中国を名指ししなかったものの、ロシアによるウクライナ侵攻から教訓をくみ取って、備えを急ぐよう台湾に忠告しました。

※コンは「方」を横に2つ並べ、その下に「土」。

──────────────────────────────────────※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: