G7外相会議が日米首脳会談を踏襲し異例の台湾言及 WHOへの台湾参加も支持

 5月3日からロンドンで開かれていたG7外相会議が5日夕(日本時間6日未明)に閉幕し、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した共同声明を採択したという。この文言は、4月16日に発表された日米首脳共同声明で「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」とした表現と寸分も変わらず、まったく同じだ。

 共同声明ではまた、台湾が世界保健機関(WHO)の年次総会に参加することへの支持も表明しており「台湾の総会参加を支持する理由として『国際社会は、新型コロナウイルス対策で成功した台湾を含め、すべてのパートナーの経験から利益を得るべきだ』と指摘」(産経新聞)しているという。

 下記に紹介する時事通信は「G7外相会議の共同声明で台湾に言及するのは、極めて異例」と伝え、「6月11〜13日に英国で開かれるG7首脳会議(サミット)の議論に反映される見通しとなった」と伝えている。

 台湾の武漢肺炎こと新型コロナウイルスへの素早くかつ効果的な対応が世界の檜舞台で認められたことを心から寿ぎたい。

 なお、茂木敏充外相が日本人記者団との5月5日の臨時記者会見で、議長国の英国が「今年はそのインド太平洋を重視する、こういう観点からインド、そしてまた豪州、韓国、招待国としてブルネイもそうでありますが、南アも招くということになった訳です」(外務省ホームページ)と述べているように、G7の外相会合もまた「自由で開かれたインド太平洋」構想を踏まえて開催されたことにも留意したい。

—————————————————————————————–G7、中国に重大懸念=台湾海峡「平和と安定重要」─対立鮮明に、外相声明【時事通信:2021年5月6日】

【ロンドン時事】ロンドンで開かれていた先進7カ国(G7)外相会議は5日午後(日本時間6日未明)、覇権主義を強める中国に「重大な懸念」を表明する共同声明を採択し、閉幕した。

 声明は「台湾海峡の平和と安定の重要性」も強調。G7が結束して中国に厳しい姿勢を示したことで、西側諸国と中国の対立関係が鮮明となった。

 G7外相会議の共同声明で台湾に言及するのは、極めて異例。4月の日米首脳会談後の共同声明を踏襲した内容で、6月11〜13日に英国で開かれるG7首脳会議(サミット)の議論に反映される見通しとなった。

 G7外相の共同声明は、中国の新疆ウイグル自治区の人権状況や香港情勢を挙げて、「重大な懸念を抱いている」と盛り込んだ。東・南シナ海の状況をめぐっても「一方的な行動に強く反対する」と批判。貿易・投資関連の慣行も非難し、「グローバルな経済的役割に見合った義務と責任を担い、果たすよう求める」と促した。

 加えて、台湾海峡をめぐり「両岸の問題を平和的に解決することを促す」と明記し、中国の軍事的な圧力強化をけん制。中国が反対している世界保健機関(WHO)などの国際会議への台湾の参加を支持する考えも示した。 

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