されることがよくある。台湾人学部留学生への震災補助金問題がまさにその例だ。
この問題について、昨日発行の本誌で、文部科学省と交流協会に対して、受給対象から
はずされた台湾人の学部留学生に、一刻も早く≪緊急援助」を行うことを要望する旨を記
した。なぜなら、いまは平時ではなく、現行制度の制限を受けない措置が必要とされてい
るからであり、台湾人の学部留学生は「不当な扱い」を受けたからだ。
昨日のメールマガジン「台湾の声」で、大学で台湾語や中国語を教えている、本会理事
でもある多田恵(ただ・けい)氏が同様の指摘をしている。
多田氏は「国籍や学部と大学院の別などで差別が行われてはならない事態であった」か
ら「今回の『緊急援助』から漏れた台湾人学部留学生に、一刻も早く、『緊急援助』を行
うことが必要である」と訴えている。正論である。
さらに「これを機に、台湾人学部留学生への支援の正常化」すなわち「台湾留学生も自
動的に『国費』」の対象となるようにすべきである」とも訴えている。
下記にその全文を紹介するので味読されたい。やはり、緊急時に差別はあってはならな
い。台湾からの義捐金を活用する形で、台湾人学部留学生への「緊急援助」を実現できな
いものだろうか。
即刻「緊急援助」を!台湾人学部留学生にも 多田 恵(大学講師)
【メールマガジン「台湾の声」:平成23年7月9日】
3月に文部科学省は留学生に対する「緊急援助」(国費外国人留学生緊急援助採用)を募
集した。これは、要は1ヶ月「国費留学生」を採用した形にして、支援を行うものである。
普段の国費留学生の採用は限られているが、今回は特別に広く採用を行ったということ
だろう。
「国費留学生」の対象に台湾は含まれないので、「同様の措置」として、交流協会でも
「緊急援助」を行ったという。
普段から、交流協会の奨学生制度は、台湾人が「国費留学」の対象にならないことを補
完する役割を持っているといえる。
しかし、実際の問題は、交流協会の奨学生制度は大学院生を対象にしたもので、学部留
学生を対象としたものがないというのである。これはこれまでも存在していたが、解決さ
れていない問題であった。
ところが、今回は、震災という、留学生が長期にわたり不安を強いられた事態であり、
特に年の若い学部留学生への支援が薄いということはあってはならなかった。
同じ条件で援助が行われるべきであって、国籍や学部と大学院の別などで差別が行われ
てはならない事態であった。
緊急時にも、普段と同様に差別待遇が行われるのであれば、緊急時の支援は、格差と不
公平感を拡大するだけである。
まず、今回の「緊急援助」から漏れた台湾人学部留学生に、一刻も早く、「緊急援助」
を行うことが必要である。
また、これを機に、台湾人学部留学生への支援の正常化が検討されるべきである。
政府ができないのなら、国会で台湾関係法を立法し、台湾留学生も自動的に「国費」の対
象となるようにすべきである。
なお、「私費外国人留学生学習奨励費の追加募集」名義での震災支援もあるが、これは
被災証明等が必要であり、それを必要としない「緊急援助」とは趣旨の異なるものである。
【読者の皆様へ】 「台湾の声」編集長 林建良(りん けんりょう)
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