台湾からの私費(学部)留学生にも奨学金は支払われることになったのに……

これを機に台湾人学部留学生への支援の正常化を!

 7月14日、(財)交流協会は、東日本大震災で被災した台湾からの学部留学生、すなわち私
費留学生にも奨学金を支払うことを発表した。そのことを「朗報」として、本誌でもお伝
えした。7月26日まで留学先の各大学で受け付けている。

◆ 台湾留学生(学部生等)に対する奨学金(緊急援助採用)の給付
  【(財)交流協会:2011年 7月 14日「お知らせ」】
  http://www.koryu.or.jp/ez3_contents.nsf/Top/5FC5AE8BE13973AE492578CD002E4AD6?OpenDocument

 ところが、今朝の産経新聞の1面を見て驚いた。立命館大教授の加地伸行氏が「台湾留学
生を除外する愚」と題して、「国交がないという理由で台湾の私費留学生を除外するのか」
と憤る一文を書かれていた。

 加地氏は7月「9日付の産経新聞によれば」との前提で書かれている。しかし、上述のよ
うに14日には交流協会が私費留学の学部学生にも奨学金(震災補助金)支給することを発
表している。産経新聞も、19日付で「奨学金の『緊急援助採用』を台湾の私費学部留学生
にも適用」という見出しで報道している。

 加地氏はその後のニュースを知らなかったのだろうが、産経新聞側もこの論考をいただ
いた時点で加地氏に支払われるようになったことを伝えるべきだったのではないか。せっ
かくの加地氏の「正論」も、これでは生かされまい。

 だが問題は、台湾からの国費・私費留学生は、これまで文部科学省の奨学金支給対象と
なっていなかったことだ。すでに多田恵理事が指摘しているように「これを機に、台湾人
学部留学生への支援の正常化が検討される」ことだ。

 加地氏の憤りは、台湾を知る人々の憤りでもあり、それが文部科学省や交流協会を突き
動かして奨学金の支給となった。今後は、台湾人学部留学生への支援正常化を推進したい。

◆ 台湾留学生を除外する愚 立命館大教授・加地伸行
  【産経新聞:2011年7月24日「古典個展」】
   http://sankei.jp.msn.com/life/news/110724/edc11072403510000-n1.htm



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