即刻「緊急援助」を!台湾人学部留学生にも
作者:多田恵
3月に文部科学省は留学生に対する「緊急援助」(国費外国人
留学生緊急援助採用)を募集した。これは、要は一ヶ月「国費
留学生」を採用した形にして、支援を行うものである。普段の国
費留学生の採用は限られているが、今回は特別に広く採用を
行ったということだろう。
「国費留学生」の対象に台湾は含まれないので、「同様の措置」
として、交流協会でも「緊急援助」を行ったという。
普段から、交流協会の奨学生制度は、台湾人が「国費留学」の
対象にならないことを補完する役割を持っているといえる。
しかし、実際の問題は、交流協会の奨学生制度は大学院生を
対象にしたもので、学部留学生を対象としたものがないというの
である。これはこれまでも存在していたが、解決されていない問
題であった。
ところが、今回は、震災という、留学生が長期に渡り不安を強い
られた事態であり、特に年の若い学部留学生への支援が薄い
ということはあってはならなかった。
同じ条件で援助が行われるべきであって、国籍や学部と大学院
の別などで差別が行われてはならない事態であった。
緊急時にも、普段と同様に差別待遇が行われるのであれば、緊
急時の支援は、格差と不公平感を拡大するだけである。
まず、今回の「緊急援助」から漏れた台湾人学部留学生に、一刻
も早く、「緊急援助」を行うことが必要である。
また、これを機に、台湾人学部留学生への支援の正常化が検討
されるべきである。
政府ができないのなら、国会で台湾関係法を立法し、台湾留学生
も自動的に「国費」の対象となるようにすべきである。
なお、「私費外国人留学生学習奨励費の追加募集」名義での震
災支援もあるが、これは被災証明等が必要であり、それを必要と
しない「緊急援助」とは趣旨の異なるものである。