7月8日、JTB台湾と新北市の地方創生団体「金山漫遊」、致理科技大学、日本からの「教育旅行に関する連携協定」を締結した。
調印式は新北市政府庁舎で行われ、侯友宜・新北市長の立ち会いの下、JTB台湾と市金山区の地方創生団体「金山漫遊」、致理科技大学の3者の代表者が協定書に署名した。
9月以降の今年度下半期に日本から120校の修学旅行団が新北を訪れ、同市内で製茶や藍染め、サツマイモ栽培などの農業体験プログラムに参加する予定。
市は日本の修学旅行生を呼び込むことで、農業創生に収益をもたらし、経済効果の創出を図るそうだ。
文部科学省の発表によれば、2019年度に日本から台湾への高校生の修学旅行は4万6,895人(293校)で断トツの1位で、2位のアメリカ:2万5,285人(194校)や3位のシンガポール:2万3,571人(173校)を大きく引き離している。
一方、台湾からも日本が断トツの1位で6,595人(213校)と、2位の中国:2,697人(98校)や3位のオーストラリア:2,478人(152校)をダブルスコア以上に大きく水をあけている。
今回の「連携協定」はさらに上積みしようとのことのようだが、ネックは円安かもしれない。
しかし、日本から米国やシンガポールへ行く渡航費用などと比べれば、台湾は距離が近い分だけまだ安い。
台湾への修学旅行はまだまだ増えそうな勢いだ。
今回の「連携協定」に祝意を表するとともに、「観光経済新聞」がかなり詳しく報じているので下記に紹介したい。
JTB台湾、台湾新北市と金山漫遊、致理科技大学と連携協定を締結【観光経済新聞:2024年7月16日】https://www.kankokeizai.com/jtb%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%80%81%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E6%96%B0%E5%8C%97%E5%B8%82%E3%81%A8%E9%87%91%E5%B1%B1%E6%BC%AB%E9%81%8A%E3%80%81%E8%87%B4%E7%90%86%E7%A7%91%E6%8A%80%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%A8/
JTB台湾は7月8日、台湾新北市と金山漫遊、致理科技大学と連携協定を締結したと発表した。
JTBグループの台湾現地法人であるJTB台湾(所在地:台北市中山、董事長:根本克己、以下「JTB台湾」)は新北市、金山漫遊(DMC)、致理科技大学とともに、新北市の各地域が推進するSDGsや地域創生の取り組みを活用した体験プログラムを、修学旅行や研修旅行等の教育旅行で台湾を訪れる日本の学校に2024年8月から提供開始します。
従来の学校交流、企業視察などの「点の交流」から進化させ、地域で学生を受け入れる「面の交流」を支援することによる「交流創造」で新北市の地域創生をサポートします。
なお、台湾の自治体がJTBグループと連携協定を結ぶことは初めての取り組みです。
1.連携協定の背景と目的
(1)日本から台湾への教育旅行は年間約60,000人(2019年度)に達し(※1)、海外教育旅行にお いて最も人気があるデスティネーション(※2)となっています。
一方で、教育旅行中に実施される学校交流は2023年度JTB取扱いの約8割が北部(主に台北)に集中(※3)しており、受け入れられる学校が見つからない、宿泊ホテルの提供が困難、などが課題となっています。
(2)日本における教育旅行では、主体的・対話的で深い学びを重視した「探究学習」を取り入れる学校が増え、持続可能な社会の実現に向けた課題解決力を身につけるためのプログラムが求められています。
(3)新北市は、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが活発であり、誘客による地域創生を目指し、教育旅行の誘致に積極的に取り組んでいます。
以上の背景から、台湾でDMCの役割を持つJTB台湾が、全国47都道府県にあるJTBの支店で取り扱う教育旅行の現場から生まれる声をダイレクトに聞き入れ、新北市を舞台に体験プログラムの開発・運営を行います。
JTB台湾が新北市と連携し、持続可能な社会の実現に向けた課題解決力を身につけるためのプログラムを創り、地域の魅力を体験できる機会を提供することで、日本の学生の成長と新北市の地域創生に寄与してまいります。
2.各社の役割と具体的な取り組み
(1)各社の役割
・JTB台湾 新北市の新たな地域の魅力を発掘し、地域の力で学生の成長を促すプログラムを造成します。
日本へ紹介するとともに、金山漫遊と共に各学校の目的に合わせて教育旅行をサポート、コーディネートします。
・新北市(農業局)(https://www.agriculture.ntpc.gov.tw/)
台北市を取り囲む新北市は農業が盛んなエリア。
その地域特性を生かし、生産や地域特産物の販売、加工食品製造・販売に関する食育を通して、地域の農作物を生かした地域創生について学ぶ機会を創出します。
・金山漫遊(https://jinshan-exploring.com.tw/)
過疎化する金山区を活性化させるために設立されたDMC。
地域ブランドの形成、地場産業の活性化戦略や、それと連携したビジネスモデルの構築、地域人材支援などを行っています。
今回は新北市から委託を受け、JTB台湾とともに日本の学校の目的に合わせた体験プログラムのコーディネートを担当します。
・致理科技大学 (https://www.chihlee.edu.tw/)
新北市にある私立大学で地域創生の知識を持つ応用日本語学科の学生が日本の学生とともにフィールドワークを通じた交流を行います。
(2)具体的な取り組み
取り組み:新北市、金山漫遊、致理科技大学と連携し、新北市の「地域の力」を活かした体験プログラムの提供
目的:多くの日本の学生に体験の機会を提供することで、地域の力で学生の成長を促する訪問や交流を通じて新北市に新たな人流を創り、地域創生を図る
体験プログラム例:新北市金山区の名産さつまいもの農家で昔ながらの釜土を使った昼食づくりを体験する
金山区で実施されている「地域創生プログラム」に参加し、DMCである金山漫遊の取り組みを学習する
上記体験後、致理科技大学の学生とフィールドワークを実施、金山区を支える産業について相互理解を図る
3.今後の展望
JTB台湾は、台湾の各自治体と連携し、台湾各地域の魅力を日本に伝え、発着連動による人流の創出を目指します。
こうした観光誘客は台湾の各地域の地域創生につながる取り組みです。
JTB台湾はDMCとして台湾と日本をつなげ、台湾の各地域の成長に貢献することで、日台交流の未来を創造してまいります。
*1 参照:修学旅行情報センター 修学旅行ドットコム 2019(平成31・令和元)年度全国公私立高等学校海外(国内)修学旅行��ぢ海外研修実施状況調査報告
*2 参照:公益財団法人 日本修学旅行協会 海外教育旅行調査 2019(平成31/令和元)年度実施海外教育旅行の実態とまとめ(抜粋)
*3 参照:2023年度JTBグループ取り扱いの教育旅行団体における実績
・一般のお客様からのお問合せ先 JTB台湾(JTB TAIWAN LTD.) Mail: antenna_mk.tw@jtbap.com。
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