【祝】 鳥居龍蔵記念館と台湾史前文化博物館が「連携協定」を締結

 9月13日、徳島県立鳥居龍蔵記念博物館(徳島市)と国立台湾史前文化博物館(台東県台東市)は、台湾原住民族の研究や民族学や考古学、博物館学などの分野などで協力してゆくことを目的に「連携協定」をオンラインで締結しました。

 地元紙の徳島新聞は「記念博物館の長谷川賢二館長は『鳥居博士の足跡を検証し、成果を発信できることを楽しみにしている』、史前文化博物館の王長華館長は『日本と台湾との交流も進めていきたい』とそれぞれあいさつし、協定書に署名した」と伝えています。調印式には、鳥居龍蔵記念博物館は岡島敏子・副館長、台湾史前文化博物館は台南市台日友好交流基金会の董事長李退之・董事長も同席したそうです。

 鳥居龍蔵記念博物館のホームページによりますと「昨年度から国立台湾史前文化博物館との交流に取り組んでいます。折に触れて、双方の間で交流事業について協議してきましたが、去る6月11日(土)には1年ぶりとなるオンライン研究会を開催しました」とあり、この研究会には「両館の橋渡しをしていただいた宮岡真央子氏(福岡大学)」も参加し、3ヵ月後にめでたく「連携協定」の締結に至ったそうです。

 心からお祝い申し上げ、下記に国立台湾史前文化博物館が発表した協定締結の記事URLと中央通信社の記事をご紹介します。

 ちなみに、日台間の博物館交流は、2011年の東日本大震災以降に頻繁に行われるようになっています。主な提携は下記のとおりです。

・2013年12月23日、西都原考古博物館と十三行博物館が姉妹館を締結。・2014年04月01日、国立民族学博物館が順益台湾原住民博物館と学術協力協定を締結。・2014年05月15日、国立民族学博物館と国立台北芸術大学が交流協定を締結。・2014年07月10日、国立歴史民俗博物館(千葉)と国立台湾歴史博物館(台南市)が協力協定を締結。・2015年10月16日、国立民族学博物館と国立台湾歴史博物館が学術研究交流協定を締結。・2015年11月29日、北海道のアイヌ民族博物館と台湾の国立博物館が博物館協定を締結。・2017年02月08日、兵庫県立考古博物館と十三行博物館が姉妹館提携と学術文化交流協定を締結。・2022年09月13日、鳥居龍蔵記念館と台湾史前文化博物館が連携協定を締結。

◆徳島県立鳥居龍蔵記念博物館 https://torii-museum.bunmori.tokushima.jp/default.htm

◆国立台湾史前文化博物館 https://www.nmp.gov.tw/

・【新聞稿】臺日交流再創新頁 史前館與日本鳥居龍藏紀念博物館 簽訂合作備忘録 [国立台湾史前文化博物館:9月13日] https://www.nmp.gov.tw/information_288_147997.html

—————————————————————————————–日本統治時代に先住民研究 鳥居龍蔵記念博物館、台湾の博物館と連携協定【中央通信社:2022年9月13日】https://japan.focustaiwan.tw/society/202209130008

(台南中央社)国立台湾史前文化博物館(史前館)は13日、日本統治時代に台湾原住民(先住民)族を研究した人類学者、鳥居龍蔵を記念する徳島県立鳥居龍蔵記念博物館と連携協定を結んだ。台湾原住民族の研究などで協力していくという。

 鳥居は日本人として初めて調査旅行にカメラを用いたとされており、台湾原住民族の写真も数多く残した。日本の研究チームによって鳥居が撮影した2500枚余りの写真の再生、保全が行われ、台湾で撮影されたものは800枚を超えるという。

 史前館によれば、台湾原住民族研究を専門とする福岡大の宮岡真央子教授が両館の橋渡し役となった。昨年からオンラインで交流を重ね、協力深化のため協定締結に至った。

 今後は民族学や考古学、博物館学などの分野でも協力していく。史前館は、連携協定を通じ「先人による研究の基礎に基づき、台湾の考古学や台湾原住民族の研究において新たな成果につながれば」との考えを示した。

 鳥居龍蔵記念博物館は、展示や講演、ワークショップなどでも協力できることに期待しているという。

(楊思瑞/編集:楊千慧)

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