覚書の締結式は12月4日午後に弘前市内の藤田記念公園で行われ、青森県からは三村申吾(みむら・しんご)知事、弘前市からは葛西憲之(かさい・のりゆき)市長、台南市からは李孟諺・代理市長がそれぞれ臨んで調印したそうです。
弘前市のホームページによりますと、2011年から台北駐日経済文化代表処にりんご輸出を働きかけ、葛西市長が三村知事と一緒にトップセールスで台湾を訪問するなど積極的に活動しはじめ、翌年からは台南市での弘前産りんごキャンペーンを展開する一方、台湾との教育交流にも力を入れて来たそうです。
昨年2月には、「青森りんごの最大産地 弘前フェア」として、台南市の大遠百デパートにおいて、市観光コーナーと物産販売コーナー、りんご販売イベントを3日間にわたって開催するまでになっていたそうです。
この果物と教育交流の成果がこのたびの「友好交流に関する覚書」締結に至ったようです。地道な活動に敬意を表しつつ、下記に覚書締結を報じる中央通信社の記事をご紹介します。また、台南市の「市政新聞」が多数の関連写真とともに報じていますので併せてご紹介します。
◆臺南市與日本青森縣、弘前市簽署三方友好交流備忘録 開?互惠合作新頁[12月4日] https://www.tainan.gov.tw/tainan/news.asp?id={CCFE6984-12E2-4EF5-8847-38421581AA17}
ちなみに、本会の調査によりますと、日本と台湾が断交後、自治体が初めて姉妹関係を結んだのは1979年10月10日のことで、青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結でした。
その後、青森県では35年のブランクを経て2014年10月に青森市が新竹県と「友好交流協定」を結び、2016年12月に青森県と平川市が台中市と「友好交流協定」を結んでいて、今回の青森県と弘前市による台南市との「友好交流に関する覚書」で4件目となります。
これで今年に入ってからの日台の都市間提携は16件目となり、昨年の14件を上回り過去最高の年間提携数を記録しました。1979年からの提携数は73件となります(本会調査)。
1)01月11日 熊本県と熊本市が高雄市と「友好交流協定」を締結2)01月13日 大分県竹田市と高雄市田寮区が「観光文化友好交流都市協定覚書」を締結3)02月08日 福岡市と台北市が「起業支援交流覚書」を締結4)02月09日 中津市と台中市が「自転車旅行と観光交流の促進に関する協定」を締結5)02月10日 三重県と台中市が「国際交流促進覚書」を締結6)02月17日 栃木県と高雄市が「経済と教育分野における友好協力覚書」を締結7)02月21日 宮崎県と新竹県が「友好都市交流協定」を締結8)04月28日 呉市と基隆市が「姉妹都市」を締結9)05月20日 和歌山市と台北市が「交流促進覚書」を締結10)06月01日 愛媛県と台中市が「友好交流覚書」を締結11)06月24日 富士宮市と台南市が「友好交流都市協定」を締結12)09月29日 尾道市と台中市が「友好交流覚書」を締結13)10月05日 宮崎県と桃園市が「友好交流協定」を締結14)10月13日 岐阜県飛騨市と嘉義県新港郷が「友好都市」を締結15)12月04日 青森県・弘前市と台南市が「友好交流に関する覚書」を締結16)12月06日 山形市と台南市が「友好交流促進協定」を締結
—————————————————————————————–台南市、弘前市、青森県3県市で友好交流の覚書 さらなる交流深化へ【中央通信社:2017年12月5日】http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201712050004.aspx
(台南 5日 中央社)台南市と弘前市、青森県の3県市は4日、友好交流に関する覚書を締結した。青森県弘前市内で締結式が開かれ、台南市の李孟諺代理市長と青森県の三村申吾知事、弘前市の葛西憲之市長が出席し、署名を交わした。今後は、農業や観光、文化、スポーツの分野で交流促進を図る方針。
台南市と弘前市は互いに果物の生産が盛んなことが縁で、2011年から交流を開始。相互に訪問を重ね、果物の販売促進や観光資源のPRを行ってきた。
李代理市長は、台南で生産されるアップルマンゴー(愛文)に言及し、その名前は青森県や弘前市の名産であるリンゴ(アップル)と台南の名産、マンゴーが1つになったものだと紹介。3地の交流の縁は運命的だと言えると述べ、今後のさらなる交流深化に期待を示した。
三村知事は、数年前に台南を訪問した際、頼清徳市長(当時)と会談し、協力関係の強化を約束したことに触れ、今後3者の友情が長く続き、より多くの青森県民が台南市を訪れるよう努力したいと意気込んだ。
(楊思瑞/編集:楊千慧)