3月15日、石垣市議会の第2回定例会最終日に行われた本会議において「『日台関係基本法』制定を求める意見書」が賛成多数で可決されました。
意見書提出者の友寄永三(ともよせ えいぞう)議員をはじめ賛成者の仲間均(なかま ひとし)議員ら10名の議員の方々に謝意を表しつつ、下記に意見書の全文をご紹介します。
本会は2013年に政策提言として「『日台関係基本法』を早急に制定せよ」を発表し、交流協会の日本台湾交流協会への名称変更などを踏まえ、2019年には「『日台交流基本法』を早急に制定せよ」を発表しており、これまで地方議会で可決された意見書は、2019年(令和元年)12月20日に和歌山市議会が「日台交流基本法の制定を求める意見書」を嚆矢とし、石垣市議会で2件目です。
これまでの日台関係基本法をめぐる主な動きをご紹介しますと、和歌山市議会の意見書可決がもっともはやく、次に2020年3月14日、和田有一朗(わだ・ゆういちろう)兵庫県議会議員が代表をつとめ、関西の議員有志が集う「日台関係の緊密化を進める議員有志の会」は「地域全体の発展や安全を確保するためには日台の協力体制は必須であり、日台交流における法整備も重要である。ここに『日台交流基本法』の法制定を求める」とする決議文を採択しています。
2020年10月26日には、台湾に友好的な日本の地方議員約300人が参加する全国日台友好議員協議会による「日台交流サミット in加賀」が加賀市で開催され、採択された「加賀宣言」では、台日の外交・安全保障政策推進のため日本が「日台交流基本法」を早急に制定すべきであると提言されました。
「日台交流基本法」の制定は、自由や民主主義、法の支配という基本的な価値観を共有する日本の重要なパートナーである台湾との礎を築くために欠くべからざる国内法です。2月10日に自民党外交部会に設立された「台湾政策検討プロジェクトチーム」も、台湾関係法あるいは、台湾支援法や台湾交流法など、何らかの形で、議員立法という形で、作るべきではないかという意見も出たと報じられていますので、4月末までにまとめられるという提言に注目しています。
—————————————————————————————–議員提出議案第3号
「日台関係基本法」制定を求める意見書
このことについて、石垣市議会会議規則第14条第1項の規定により提出いたします。
令和3年3月15日
提出者 友 寄 永 三 賛成者 仲 間 均 〃 石 垣 亨 〃 砥 板 芳 行 〃 我喜屋 隆 次 〃 箕 底 用 一 〃 東内原 とも子 〃 長 山 家 康 〃 米 盛 初 恵 〃 後上里 厚 司 〃 石 川 勇 作
石垣市議会 議長 平 良 秀 之 殿
理 由 「日台関係基本法」の整備を求めるため。
「日台関係基本法」制定を求める意見書
石垣市において、長年にわたり多くの台湾出身華僑の方々が日本国籍を選択し石垣市民として活躍され、台湾蘇澳鎮とは、友好都市として 25 年もの交流関係にあり、中華民国(台湾)との直行便往来や、クルーズ船の来島を考えれば、石垣市と台湾は緊密な経済関係と人的往来を有する重要な関係にあると言えます。
昭和 47 年に日華平和条約の効力を失って以来、日本と台湾の関係には法的根拠が存在しなくなり、その為現在では、日本側は外務省と経済産業省の所管の民間機関である「交流協会」を、台湾側は外交部所管の「亜東関係協会」をそれぞれの窓口として経済、社会、文化などの分野における「非政府間の実務関係」を続けています。
日台関係は一切の法的裏付けがないという不安定さの中でかろうじて民間による「実務関係」を維持している現状です。
このような事態を防止するには、我が国においても、経済分野、災害救助分野、安全保障分野、環境分野において台湾と緊密な連携を図る法的根拠となる「日台関係基本法」の整備は急務となっています。
日本政府は、ASEAN外交に臨む「5原則」 1、自由や民主主義、基本的人権など普遍的価値を拡大すべし 2、公共財である海洋は力ではなく法が支配すべき 3、自由でオープンな経済によって貿易や投資の流れを進める 4、文化の繋がりの充実 5、未来を担う世代の交流促進という原則で成り立っていますが、台湾地域を空白にしたままでは、実現できないことが明らかであります。
台湾は、2300 万人の人口を抱え、自由、民主主義、人権、法治といった基本的価値観を我が国と共有しており、台湾が自由と民主主義を基調とする事は我が国において重要な国益であることから「日台関係基本法」の制定の必要性を強く要望いたします。
以上、地方自治法第 99 条の規定により、意見書を提出する。
令和3年3月15日 石 垣 市 議 会
宛先 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、外務大臣
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