日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」より転載
李登輝元総統から「日台共栄の夕べ」に特別メッセージ
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祝 辞
「日台共栄の夕べ」にお集まりの小田村四郎会長はじめ会員の皆さま、台湾の李登輝で
す。今年も恒例の「日台共栄の夕べ」を開催されるそうで、心から祝意を表します。ま
た、この一年間の皆さまの台湾に対するご支援、台日関係促進におけるご努力に敬意を表
します。
さて、本年も残りわずかとなりました。今年もいろいろありましたが、何といっても嬉
しかったのは4月に「台日漁業協定」が締結されたことです。台湾と日本の間に横たわる大
きな問題はこの尖閣諸島の漁業権だけでしたし、台湾の漁民のために早期妥結を望んでき
た私にとって、実に喜ばしいことでした。まさに歴史的快挙です。
また、日本は台湾と断交後、法的根拠を欠いたまま交流を続けています。このような現
状に対して日本李登輝友の会の皆さまが「日台関係基本法」の早期制定を発表されたこと
は深く胸に刻まれました。日本に残された課題はまさに日本版「台湾関係法」の制定で、
私も訪ねてくる日本の国会議員の方々に必ずこの件を説明し、制定を急ぐべきとお話しし
ているところです。
安倍総理は台湾について、民主、自由、平和といった基本的価値観を共有する重要なパ
ートナーと表明しております。恐らく日本の総理大臣でここまで踏み込んで表明したのは
安倍総理が初めてではないかと思います。お陰でこれまで以上に台日関係は緊密になりつ
つあり、この安倍政権でぜひ「日台関係基本法」が成立することを希望しています。
台湾と日本は兄弟のように、心の通う、仲のよい国です。今後も台日共栄の理念の下、
貴会とはさらに提携を強め、両国のため、そしてアジア全体のために努力、邁進していき
たいと考えております。
本日のご盛会と、来年における皆様のますますのご健闘をお祈りいたします。
2013年12月23日
台湾元総統 李 登 輝