【祝】 姉妹都市の石垣市に宜蘭県蘇澳鎮からマスクやメッセージカードの寄贈

 日本と台湾の姉妹都市や友好都市など都市間提携は、1979年10月10日にマグロで有名な青森県大間町と雲林県虎尾鎮が「姉妹町」を提携して以降、2019年11月24日に岩手県盛岡市と花蓮市が結んだ「友好都市協定」まで91件に及んでいる(本会調べ)。

 李登輝元総統が8度目の来日先として2016年7月に訪問した石垣市は、1995年9月26日に宜蘭県蘇澳鎮と姉妹都市と結んでおり、パイナップル栽培などを通じて台湾からわたって来た人々も少なくない。

 李登輝元総統は八重山華僑総会が開いた晩餐会に臨んで挨拶されたおり、台湾出身者の苦労に思い及ぶと思わず涙声になって話されたことを昨日のように思い出す。

 晩餐会が開かれた蓬莱閣という店の近くにある公園には、石垣市と蘇澳鎮の姉妹都市提携20年をお祝いする記念碑も建てられていた。

 パンデミック(世界的大流行)となった武漢肺炎が席捲する今年は、奇しくも石垣市と蘇澳鎮の姉妹都市提携25年の節目の年。

 蘇澳鎮の小学校や中学校計5校が石垣市に防疫物資を贈って武漢肺炎対策を支援しようと企画し、メッセージカードを書き、布マスクを募集しはじめたところ、なんと「この企画に鎮公所や蘇澳港国際青年商会や蘇澳ロータリークラブ、蘇澳ライオンズクラブなどの機関、団体も賛同。立体マスク3000枚と不織布600セットを寄贈」し、20日に石垣市に向けて送り出されたそうだ。

 台湾の人々だって武漢肺炎では苦労しているのだが、それでも支援しようという温かい思いと、一緒にこの試練を乗り越えようという思いがギュっと詰まった嬉しい話だ。中央通信社の記事を下記にご紹介したい。

 台湾政府が日本に寄贈すると発表していたマスク200万枚も、4月21日に成田空港に到着する予定だという。

 2011年の東日本大震災の折、間もなく副総統に就任する、当時は台南市長だった頼清徳氏は、「交流促進都市協定」を結んでいた仙台市に自ら駆けつけ、奥山恵美子・仙台市長へ義捐金1億770万円余を直接手渡したことがあった。

 これは、当時、仙台市長に当選したばかりの梅原克彦(うめはら・かつひこ)氏が許世楷・台北駐日経済文化代表処代表(当時)のアドバイスを得ながら積極的に働きかけ、2006年1月20日に許添財氏が市長をつとめていた当時の台南市と「交流促進都市協定」を実現させたことを背景としている。

 日台の麗しい関係は災害時などの苦しいときに、双方から発揮されることが少なくない。現在、台南市内の中信金融管理学院で教鞭を執る元仙台市長の梅原氏も、この蘇澳鎮から石垣市への支援を目を細めて喜んでいるのではないだろうか。

—————————————————————————————–台湾・蘇澳鎮、マスクなど防疫物資を石垣市に寄贈 姉妹都市にエール【中央通信社:2020年4月20日】https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202004200006.aspx

 (宜蘭中央社)東部・宜蘭県蘇澳鎮公所(役所)は20日、姉妹都市提携を結ぶ沖縄県石垣市の新型コロナウイルス対策を支援しようと、鎮内の各学校や団体から寄せられたマスクやメッセージカードなどを同市に向けて発送した。記者会見が同日、鎮内で行われ、李明哲鎮長と中山義隆石垣市長がビデオ通話で互いにエールを送った。中山市長は全市民を代表して感謝を示した。

 鎮公所の報道資料によると、鎮内の小学校や中学校計5校が石垣市に防疫物資を贈る企画を立ち上げ、メッセージカードを書いたほか、布マスクを募集。1週間で布マスク200枚余りが集まった。この企画に鎮公所や蘇澳港国際青年商会や蘇澳ロータリークラブ、蘇澳ライオンズクラブなどの機関、団体も賛同。立体マスク3000枚と不織布600セットを寄贈した。

 両市鎮は1995年に姉妹都市を締結。今年で25周年を迎える。李鎮長はビデオ通話を通じて石垣市民への思いやりと祝福の意を示し、双方が共に新型コロナウイルスの試練を乗り越えられるよう願った。

(王朝ギョク/編集:名切千絵)

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