外務大臣表彰は「多くの方々が国際関係の様々な分野で活躍し、我が国と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている中で、特に顕著な功績のあった個人および団体について、その功績を称えるとともに、その活動に対する一層の理解と支持を国民各層にお願いすることを目的」としています。
台湾関係にもようやく平成28年度(2016年度) から門戸が開かれ、台湾日語教育学会と台湾日本語文学会の2団体と日台スポーツ・文化推進協会理事長の松本●彦(まつもと・あやひこ)氏の1個人が受賞しました。
(●=或の戈が彡さんづくり)
翌年度は、台湾歌壇、日本奨学金留学生聯誼会、台湾協会の3団体、2018年度は台湾太鼓協会、若林正丈氏(早稲田大学政治経済学術院教授)、関宗貴氏(茶道裏千家淡交会北投協会顧問)、林曼麗氏(国家文化芸術基金会理事長)の1団体、3個人が受賞しています。
昨年度までの8年間で17団体、10個人が受賞しました。
今年度は8月1日に186個人、59団体の表彰が発表され、「最良の日台関係」を象徴するように台湾関係は5団体、1個人が受賞、8月8日に外務省の飯倉公館において表彰式が行われました。
団体受賞の日華青少年交流協会、玉蘭荘(社団法人台北市松年福祉会)、東呉大学日本語文学科、潮音寺管理委員会、バシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会および個人受賞の小笠原欣幸(おがさわら・よしゆき)東京外国語大学名誉教授に心から祝意を表します。
なお、高雄藝品舘を切り盛りしながら、潮音寺の建物や土地問題を克服された管理委員会委員長の鐘佐榮さんなどの努力がこの受賞で報われたように思い、本当に嬉しく思っています。
また、渡邊崇之氏が実行委員長をつとめるバシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会についても、忙しい本業のかたわら、2015年の戦後70周年を機に始めたバシー海峡戦没者慰霊祭を続けてこられたことに満腔の感謝を申し上げ、協力団体の末席に連なる本会として今回の受賞をなにより嬉しく思っています。
今年で10回目となる節目のバシー海峡戦没者慰霊祭は11月17日。
現地での慰霊祭には参列できないかもしれませんが、花輪は出させていただきます。
日本台湾交流協会が受賞者の功績概要と詳細を報じていますので、下記に紹介します。
令和6年度外務大臣表彰【日本台湾交流協会:2024年8月8日】https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=3970&dispmid=5287
8月1日、外務省は、令和6年度外務大臣表彰の受章者を発表しました。
日本と台湾の相互理解の促進、台湾における日本語教育の促進に尽力された功績が称えられ、当協会推薦の小笠原欣幸東京外国語大学名誉教授、日華青少年交流協会、玉蘭荘(社団法人台北市松年福祉会)、東呉大学日本語文学科、潮音寺管理委員会及びバシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会が受賞されました。
この度、外務大臣表彰を受賞されました皆様に心からお慶び申し上げますとともに、今後も日台間の友好親善関係の増進のためにますますご活躍されますことを祈念いたします。
8月8日、外務省飯倉別館において行われた令和6年度外務大臣表彰式には小笠原欣幸東京外国語大学名誉教授、日華青少年交流協会が出席され、上川陽子外務大臣から表彰状が授与されました。
なお、各団体には別途、台北・高雄において表彰状伝達式を実施する予定です。
外務大臣表彰は、我が国との友好親善関係の増進に特に顕著な功績のあった個人および団体について、その功績を称えるとともに、その活動に対する一層の理解と支持を皆様にお願いすることを目的としています。
各受章者・受賞団体のご功績は下記のとおりです。
・小笠原欣幸 東京外国語大学名誉教授 功績概要:日本と台湾との相互理解の促進
同人は、1996年から直接公選制となった8回の台湾総統選挙を研究。
現地調査とデータ分析を 組み合わせた結果予想は「選挙の神様」と呼ばれるほど高い的中率を誇り、その研究結果は選 挙分析の域にとどまらず、台湾政治情勢、民意、安全保障等を踏まえたものとなっている。
研 究成果をまとめた『台湾総統選挙』は樫山純三賞学術書賞及びアジア・太平洋賞特別賞を受賞、 『ニューズウィーク』日本版2023年8月15・22日号の「世界が尊敬する日本人100」で紹介さ れ、同人の著書や研究成果は日本における台湾研究に寄与。
・日華青少年交流協会 功績概要:日本と台湾との相互理解の促進
同団体は、1987年の設立以来30年以上に亘り、東京での大学生中国語スピーチコンテスト及 び台湾での大学生日本語スピーチコンテストを実施。
大会の成績優秀者や試験合格者各12名 前後を台湾と日本それぞれ双方に派遣して研修を実施。
日本政府や台湾当局の関係機関や文化 施設の訪問、現地の大学生との交流等の機会を提供している。
実際に同研修に参加した学生が 日台友好促進に寄与する仕事に就く等、日台間の青少年交流の促進・人材育成・架け橋人員の 育成に多大なる貢献をしている。
・玉蘭荘(社団法人台北市松年福祉会) 功績概要:日本と台湾との相互理解の促進
同団体は、1989年に設立。
日本語による集会を禁止していた戒厳令が解かれ、戦前戦後に台 湾人と婚姻した台湾在留日本婦人や、日本語教育を受けた台湾人に対して、日本語によるケア を実施してきた。
現在は毎週2回、日本語による歌唱や手芸、習字等を行い、バザーや日本の 学生との交流など行事も多く開催。
また同団体と歴史的・人的つながりのある教会、日本語で 活動している他の台湾人コミュニティ、関心を持つ日系企業との交流の場を持つなど、在留邦 人等の福祉の向上に貢献。
・東呉大学日本語文学科 功績概要:台湾における日本語教育の促進
同学科は、1972年の日本語学科前身創設以降、1980年に修士課程、1991年に台湾の日本語学 科では唯一の博士課程を開設し、台湾全土の日本語教師の養成及び研究者の育成に携わってい る。
2001年には在職者のための社会人修士課程を開設するなど現職者のキャリアアップ支援 も開始。
また中等教育機関の日本語教育支援として、1999年より高校生日本語スピーチコン テストを毎年開催し、2023年で25回を迎えた。
台湾における日本語教育とその普及に大きく 貢献し、日台交流の促進にも寄与している。
・潮音寺管理委員会 功績概要:日本と台湾との相互理解の促進
同団体は、戦時中のバシー海峡で12日間漂流の末、奇跡的な生還を遂げた故・中嶋秀次氏に よる私財と日本各地からの浄財により、バシー海峡戦没者慰霊施設である潮音寺を1981年に 建立。
以降現在まで戦没者を慰霊するとともに、日本等から訪れたご遺族から託された物品や 遺品などを管理・展示し、バシー海峡における惨劇を後世に伝えている。
戦後70周年となる 2015年にはバシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会と共に慰霊祭を開催。
以後毎年慰霊祭を続け、 慰霊活動を通じた更なる日台友好に取り組んでいる。
・バシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会 功績概要:日本と台湾との相互理解の促進
同団体は、戦後70周年となる2015年に台湾在住日本人を中心とした有志によりバシー海峡戦 没者慰霊祭実行委員会として設立。
10万人とも20万人とも言われているバシー海峡戦没者の 慰霊活動を継続的に実施している。
本年11月で10回目となる慰霊祭には、毎年多くの台湾在 住日本人、台湾側協力者のほか、日本からご遺族も参列している。
日本と台湾双方の人々に対 して、バシー海峡における第二次世界大戦時の惨事を忘れることがないよう継続的な活動を行 うと共に、慰霊活動を通じた更なる日台友好に取り組んでいる。
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