ことをお伝えしたが、民進党の蔡英文主席は昨日、総統選への出馬を表明した。他に有力な立候補
者は見当たらず、民進党の公認候補となる公算が大。
中国国民党の朱立倫主席は次期総統選には出馬しないと表明しているものの、やはり有力候補者
が見当たらないことから、出馬を望む声が強いという。毎日新聞の記事を下記にご紹介したい。
台湾で選挙が行われるときは必ず取材している評論家の宮崎正弘氏も、中国国民党は朱立倫氏を
押し立ててくるだろうと分析している。
<問題はムードが圧倒的に民進党が有利とはいえ、総統選挙ともなると大陸の介入が激しくなり、
軍資金もなだれ込み、日夜、謀略情報とも闘わなければいけなくなる。
国民党はおそらく朱立倫を候補におしたて、組織をフルに稼働させて集票マシンを再機能させる
だろうから楽勝とはいかないだろう。>(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年2月15
日:通巻第4467号)
台湾総統選:民進党の蔡主席が出馬表明
【毎日新聞:2015年2月14日】
【台北・鈴木玲子】台湾の最大野党・民進党の蔡英文主席(58)は14日、自身のフェイスブック
で「台湾には改革が必要だ」と述べ、来年の次期総統選に向け公認候補を決める党内予備選に立候
補すると表明した。15日に届け出る予定。他に有力者が出馬する動きはなく、蔡氏が党公認候補に
なる見通しだ。
蔡氏は2012年の前回総統選に党公認で出馬したが、与党・国民党の馬英九総統(64)に敗れた。
対中政策を明確に打ち出せなかったことが有権者に不安を与え、敗因につながったとされる。
しかし、馬政権の対中融和政策により中国への接近が進む中、台湾住民の中国への警戒心が広
がった。昨年11月の統一地方選では民進党が大勝し、8年ぶりの政権奪還が現実味を帯びている。
フェイスブックで蔡氏は「時代は変わった。政治が真に人民のものとなる時代を切り開くべきだ」
と強調した。党有力者の蘇貞昌前主席(67)や頼清徳・台南市長(55)は既に不出馬を表明してい
る。
一方、国民党では、統一選の惨敗で主席を引責辞任した馬総統の後を継いだ朱立倫主席(53)が
次期総統選には出馬しないと表明。候補には呉敦義副総統(67)や王金平・立法院長(73)の名前
が挙がるが、人気面で蔡氏に劣るともみられることから、朱氏の出馬を望む声も強い。