に、世論調査の発表は投票日10日前までという規定があるため、6日以降は発表禁止となり、各種
調査機関による発表も5日に出そろった。
総統選挙は蔡英文・陳建仁の民進党候補者が40% を超える支持率を集めており、中国国民党の
朱立倫・王如玄候補は支持率を下げ、親民党の宋楚瑜・徐欣瑩候補が追い上げてほぼ中国国民党候
補者と並ぶ勢いを示している。
西日本新聞が5日発表のTVBSテレビ、両岸政策協会、12月31日発表の台湾指標民調(TIS
R)の世論調査を紹介しながら「直近の政党支持率からすると、民進党は今の40議席を60前後に増
やす可能性がある」と解説している。下記に紹介したい。
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民進党・蔡氏独走で終盤 台湾総統選、立法委員選も初の過半数か
【西日本新聞:2016年1月6日】
【台北・横尾誠】台湾総統選(16日投開票)は5日、各種調査機関による最終世論調査の結果が
出そろった。最大野党、民主進歩党(民進党)の蔡英文主席(59)は、40%超の支持率を維持し、
他の2候補を大きく引き離したまま最終盤を迎える。8年ぶりの政権交代と初の女性総統の誕生は確
実視されている。民進党は同じ日にある立法委員(国会議員)選でも初の過半数獲得をうかがう勢
いをみせている。
与党、国民党寄りとされるTVBSテレビが5日発表した調査では、蔡氏43%に対し、国民党の
朱立倫主席(54)が25%、野党、親民党の宋楚瑜主席(73)が15%。他の調査でも蔡氏が大差をつ
ける情勢は変わらない。
中国は独立志向の民進党に警戒感が強い。しかし中台関係の「現状維持」を掲げる蔡氏は討論会
などで「中国を挑発しない」と穏健路線を強調。中台現政権が互いの立場で「一つの中国」を認め
る「1992年合意」も直接否定することは避け、安定した支持を得ている。
世論調査会社、台湾指標民調(TISR)の昨年末の調査によると、有権者が重視する政策(複
数回答)は「経済振興」(72・5%)「若者の就職問題」(52・3%)が多く「中台関係」は22%に
とどまる。就職難や格差問題に不満を抱く20代の若い世代で、蔡氏を支持する傾向が特に強い。
一方、与党の朱氏は、民進党政権となれば中台関係が不安定化し、経済も悪化すると批判を強め
るが、対中経済依存を高めた今の馬英九政権でも景気低迷が続いており、有権者の理解が得られて
いないようだ。
調査機関によっては、朱氏の支持率は一段低く見積もられている。有識者でつくる両岸政策協会
が5日発表した朱氏の支持率は16・3%で、宋氏は16・1%と肉薄。TISRでもほぼ同じ結果が出
ている。
宋氏は元国民党幹部で総統選出馬は3度目。庶民の心をつかむ巧みな話術で知られる。テレビ討
論では他候補を激しく攻撃することは控え、時に涙ぐみ、支持を訴えた。支持率急伸は二大政党の
争いに嫌気を感じる有権者の心を動かした結果と分析されているが、一時的情勢との見方もある。
国民党は実態を反映していないと反発している。
定数113の立法委員選は5日告示された。直近の政党支持率からすると、民進党は今の40議席を60
前後に増やす可能性がある。
世論調査の結果発表は規定により、投票10日前である6日から禁止される。