党の蔡英文候補の支持率は46%、中国国民党の朱立倫候補は28%、親民党の宋楚瑜候補は10%だっ
た。
日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」も「中台トップ会談後も蔡氏の圧倒的優位な情勢は変わっ
ていません。経済運営に失敗した馬政権に批判が集まり、多くの有権者が政権交代を求めていると
みられます」(11月24日付)と的確に解説していた。
昨日、朱立倫候補が立候補を届け出たことを、毎日新聞がやはりTVBSの世論調査を基に「劣
勢に苦しむ」「党勢挽回は思わしくない」と伝えるとともに、立法委員選の比例代表名簿に関して
も「党内からは不満が続出」「朱氏の手腕を疑問視する声も上がっている」と報じている。
台湾総統選:国民党朱主席が届け出 交代後も苦戦
【毎日新聞:2015年11月25日】
【台北・鈴木玲子】来年1月16日に投開票される台湾総統選で与党・国民党候補の朱立倫主席
(54)が25日、立候補を届け出た。24日には野党・親民党候補の宋楚瑜主席(73)が届け出てい
る。世論調査の支持率で両氏を引き離す最大野党・民進党候補の蔡英文主席(59)は締め切り日の
27日に届け出る予定。
朱氏は、ペアを組む副総統候補の王如玄氏(54)と中央選挙委員会で届け出を済ませた後、「逆
境の中で奮闘している」と語った。
国民党の馬英九政権が推進してきた対中関係改善が経済効果をもたらした一方で、過度な中国へ
の傾斜に対する民衆の警戒感が噴出。昨年11月の統一地方選で同党は惨敗し、総統選も劣勢に苦し
む。
朱氏は、中国との統一志向が強すぎて人気が低迷した洪秀柱氏(67)に代わって候補になった
が、党勢挽回は思わしくない。今月7日に分断後初の中台首脳会談が行われ、国民党政権による中
台関係の安定化を印象付けた。だが、総統選への影響は限定的で、大手テレビ局による最新世論調
査の支持率で朱氏は28%と、46%の蔡氏にリードされたままだ。
また、総統選と同日実施される立法委員(国会議員)選の比例代表名簿に対し、政治家2世や地
方派閥を重視した人選だとして党内からは不満が続出。同党寄りの有力紙にさえ「妥協の名簿」と
やゆされた。相次ぐ混乱に朱氏の手腕を疑問視する声も上がっている。