【台湾八八水害】台湾・高雄 台風8号で主要道壊滅 日本統治時代の旧道“命綱”

【8月26日 東京新聞夕刊】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009082602000244.html

 【新興村(台湾南部高雄県)=栗田秀之】台風8号に伴う記録的な豪雨で、川沿いの主
要道路が壊滅した高雄県新興、文武の両村では、日本統治時代に建設され、1992年以降閉
鎖されていた旧道が、被災地に通じる貴重な代替道路として住民の生活を支えている。

 高雄県の中央を流れる〓濃渓。普段は川幅約200メートルだが、今回の豪雨で幅約2キロ
にわたってはんらん、右岸の省道が約1キロにわたって崩壊した。

 上流の被災地への救援活動、支援物資の輸送を担うヘリコプターが不足しており、陸路
の復旧が急務だが省道復旧には1、2カ月かかる見込み。そこで当局は苦肉の策として山寄
りのコースに6つのトンネルを連ねる旧道を復活させることにした。

 旧道は、樟脳(しょうのう)を抽出するクスノキの運搬用に建設され1937年から43年ま
でに開通した。閉鎖後は周囲の自然景観と合わせ、歴史資産として観光資源になっていた。

 道幅が狭いため交互通行を強いられ、大型車両も通行できないが、支援を待つ上流の被
災地と、下流の市街地を結ぶ生命線になっている。

 全通から60年以上たった遺構は、この50年間で最悪の被害となった大水害の復旧活動を
もうしばらく支え続ける。交通部(交通省)当局の陳進徳さん(52)は「まさに命を保つ
道だ。日本時代の基礎建設が大きく貢献した」と話している。

※〓は、くさかんむりに老



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