「平成18年 日台共栄の夕べ」でアンケートと決議文を採択

今上陛下ご誕辰の23日、午後5時より、池袋のホテルメトロポリタンにおいて「平成18
年 日台共栄の夕べ」を開催しました。お陰様で、この日は在日台湾同郷会と怡友会が共
催する忘年会などと重なっていたにもかかわらず、定員を超える200名の方々が参加し第1
部の講演会、第2部の大忘年会とも満席となりました。
 遠く、宮城、石川、福井、大阪、滋賀、岐阜、愛知などからも駆けつけていただき、こ
の場を借りて改めて御礼申し上げます。
 その詳細については改めてご報告いたしますが、今年の新しい試みは、参加者にご協力
いただき、「日台共栄アンケート」を実施したことと、政府への「決議文」を採択したこ
とです。
 ここではその「日台共栄アンケート」と、採択された「外登証と台湾表記に関する政府
への要望決議」をご紹介いたします。アンケート結果は決議文とともに安倍総理および塩
崎官房長官、外国人登録証明書を管轄する長勢法務大臣、教科書検定を行う伊吹文部科学
大臣に届ける予定です。                        (編集部)


日台共栄アンケート

●国籍 日本 台湾 その他(     )  ●性別 男 女
●年齢 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代

Q1 法務省が管轄する外国人登録証明書では、台湾出身者の国籍は「中国」とされてい
   ることをご存じですか?
A1 はい  いいえ

Q2 台湾人の外登証国籍欄は「台湾」に改正すべきだと思いますか?
A2 はい  いいえ

Q3 市販の地図帳や文部科学省が検定する学校地図帳などでは、台湾が中華人民共和国
   の領土の一部として表記されていることはご存じですか?
A3 はい  いいえ

Q4 外務省のホームページ「各国・地域の情勢」における「アジア」の「各国情勢」で
   中国をクリックすると、台湾が同じ色で表示されることはご存じですか?
A4 はい  いいえ

Q5 文部科学省や外務省のように、台湾を実質的に中華人民共和国の領土とすることを
   支持しますか?
A5 はい  いいえ

Q6 日本や米国が台湾のWHO(世界保健機関)オブザーバー参加を支持していること
   はご存じですか?
A6 はい  いいえ

Q7 中国が台湾のWHOオブザーバー参加に反対していることはご存じですか?
A7 はい  いいえ

Q8 台湾のWHOオブザーバー参加を支持しますか?
A8 はい  いいえ

Q9 日本は台湾との自由貿易協定(FTA)を検討課題とし、経済団体連合会が台湾と協
   力して研究していることはご存じですか?
A9 はい  いいえ

Q10 日台は自由貿易協定(FTA)を締結した方がよいと思いますか?
A10 はい  いいえ

Q11 米国が台湾住民の安全を脅かす武力行使や他の強制的な方式にも対抗しうる防衛力
   を維持するため、「台湾関係法」を制定していることはご存じですか?
A11 はい  いいえ

Q12 日本は「日本版台湾関係法」を制定した方が望ましいと思いますか?
A12 はい  いいえ


外登証と台湾表記に関する政府への要望決議

 現在の日本と台湾の関係は戦後最良の状態にあるとされる。

 その萌芽として、平成十四年五月、政府が台湾の世界保健機関(WHO)へのオブザー
バー参加を支持したことや、課長職までの官僚の訪台が可能になったことなどが挙げられ
る。平成十五年十二月には中華人民共和国と同様、台湾でもナショナルデーである天皇誕
生日祝賀会が開催されている。その七月には、日本を訪れる外国人旅行者を二〇一〇年ま
でに倍増させる「観光立国行動計画」が発表され、愛知万博を契機に、昨年九月末よりは
台湾からの観光客にノービザ措置を実施している。

 また、昨年二月の日米安全保障協議委員会では「台湾海峡問題の平和的解決」がその共
通戦略目標に掲げられ、日本の台湾に対する姿勢はいっそう明確化された。今年に入り、
一月には仙台市と台南市が交流促進都市提携を結び、十一月には八王子市と高雄市が友好
姉妹都市協定に調印し、十二月には石川県議会と台南県議会が日本初となる友好交流協定
を締結するなど、日台関係は親密度を高めている。さらに、来年度には台湾からの観光客
に対して国際運転免許証が交付される予定だ。

 一方、台湾でも、昨年六月の世論調査によると、「移住したい国」「最も立派だと思う
国」「旅行したい国」の第一位を日本が占め、これまで第一位だったアメリカを逆転して
いる。本年十月に行われた台湾シンクタンクの国別好感度調査でも、日本人が第一位とな
り、米国人、韓国人、中国人を押さえている。

 ところが、日台関係がこのような状態であるにもかかわらず、台湾出身者の外国人登録
証明書ではその国籍を「中国」とし、運転免許証の国籍も「中国」としている。このため
、台湾人は中華人民共和国の国民と誤解されることで不快感や屈辱感を味わい、日常生活
に多大な障害がもたらされているのが現状だ。

 また、市販の地図帳及び文部科学省が検定する学校教科書や地図帳では、台湾が中華人
民共和国の領土の一部とされ、子供たちに間違った情報が与えられている。これは「台湾
の領土的な位置付けに関して独自の認定を行う立場にない」とし、領土帰属未定論に立つ
政府見解を明らかに逸脱するものである。

 ついては、李登輝前総統の指導により日本と同じ民主と自由という価値観を共有するよ
うになった台湾を、「日本の生命線」とする日本李登輝友の会は、この「日台共栄の夕べ」
に集まった人々とともに、政府に対して以下を強く要望するものである。

一、日本政府は、外国人登録証明書や運転免許証の国籍欄表記を「中国」から「台湾」へ
 速やかに改正し、中華人民共和国出身者と区別すること。

一、日本政府は、政府見解を踏まえ、教科書検定において台湾を中華人民共和国の領土と
 表記しないよう指導すること。

 右、決議する。

 平成十八年十二月二十三日

                          「日台共栄の夕べ」参加者一同