手島仁氏が東京新聞(群馬版)連載で羽鳥又男に続き羽鳥重郎の事績を紹介

手島仁氏が東京新聞(群馬版)連載で羽鳥又男に続き羽鳥重郎の事績を紹介
羽鳥重郎博士と台湾の風土病─熱病研究に生涯ささげる

 以前、本誌(昨年8月19日発行、第1234号)で紹介した『群馬学とは』を著した群馬県立
歴史博物館学芸員の手島仁(てしま・ひとし)氏は、今年の1月3日から毎週月曜日、東京
新聞の群馬版に「手島仁の『群馬学』講座」を連載している。

 群馬県は台湾と縁が深い。最後の日本人台南市長を務め、台南の文化遺産を守り抜いて
台南の人々から尊敬される羽鳥又男(はとり・またお)、「台湾紅茶の父」と慕われる新
井耕吉郎(あらい・こうきちろう)、台湾の風土病撲滅に多大な功績を残し台湾ツツガム
シ病を発見した医学博士の羽鳥重郎(はとり・じゅうろう)、台湾いろはかるたをつくっ
た須田清基(すだ・せいき)、基隆に台湾最初の「基隆夜学校」や私立図書館「石坂文庫」
を創設して「基隆の聖人」とか「台湾図書館の父」と呼ばれる石坂荘作(いしざか・そう
さく)など、台湾近代化に力を尽くした錚々たる人物を輩出している。

 この「手島仁の『群馬学』講座」の5回目(1月31日)で台湾関係者として羽鳥又男が初
登場し、本誌の兄弟誌メールマガジン「台湾の声」(2月4日発行)でご紹介いただいた。
また3月28日の第12回で羽鳥重郎が取り上げられた。インターネットでは掲載されていない
ので、ここにその全文を紹介したい。手島氏のプロフィールは編集部で付け加えた。

 なお、群馬県が台湾と縁が深い歴史的背景を丹念に掘り起こした手島仁氏の『群馬学と
は』(1800円、2010年6月刊)は下記で取り扱っている。

■『群馬学とは』申込先:群馬県立歴史博物館ミュージアムショップ
  〒370-1293 群馬県高崎市綿貫町992-1 群馬県立歴史博物館内
  TEL&FAX:027-347-8133E-mail: shop@neues-asahi.jp
  ホームページ: http://www.asahi-p.co.jp/mshop/index.html

■【羽鳥又男】日本人最後の台南市長(メルマガ「台湾の声」2月4日号)
  http://www.emaga.com/bn/?2011020004731723003887.3407


手島仁の「群馬学」講座(12)
羽鳥重郎博士と台湾の風土病─熱病研究に生涯ささげる
【東京新聞:群馬版 2011年3月28日】

 第五回の講座で、最後の日本人台南市長・羽鳥又男を紹介した。これから羽鳥台南市長
のように、台湾で敬愛されている上州人を紹介したい。

 戦前の日本は農業国で、国土は狭く過剰人口を抱えていたため、成功した人のツテを頼
って海外へ出る人もいた。富士見村でも羽鳥又男はじめ多くの人が、羽鳥重郎医学博士を
頼って台湾へ渡った。

 羽鳥重郎は、明治四(一八七一)年、富士見村石井(前橋市)に生まれた。群馬県尋常
中学校(前橋高校)に入学したが、同校が廃校になったため、医術開業試験の勉強を重ね
医師となった。

 東京帝国大学医学部内科選科生となり、伝染病の研究に取り組んだ。赤痢菌を発見した
が、志賀潔の論文を掲載した雑誌が一カ月早く出版されたため、赤痢菌発見者第一号とな
らなかった。のちに「真に終生の恨事であったと重郎は述懐している。

 明治三十二(一八九九)年、捲土重来(けんどちょうらい)を期し、台湾へ渡り台北衛
生試験室に勤務した。ここから台湾風土病撲滅の戦いが始まった。

 まず重郎が手がけたのはマラリア対策であった。蚊の採集を行い原虫保有者の絶滅に成
功した。次に、「鳳(ほう)林病」と恐れられた熱性病の原因を突き止めた(「台湾恙虫(つ
つがむし)病の発見」)。さらに台北などで不明熱とされていたものを「散在性発疹熱」と
命名し、その対策を講じた。

 また、大正十二(一九二三)年、熱帯病研究者として選ばれて中南米へ派遣されると、
途中、アメリカ合衆国に向かい、ロックフェラー財団を訪ね、同研究所で野口英世と意見
交換を行っている。

 昭和六(一九三一)年、重郎は還暦を迎えた。普通なら悠々自適の生活に入るところを、
台湾で衛生状態が最もよくない花蓮港に開業し、医療活動を続けた。敗戦後も熱帯医学研
究所に留まり、「中日薬学史」の原稿を書き上げてから日本へ引き揚げ、晩年は愛媛県今
治市で開業した長男のもとで過ごし、昭和三十二(一九五七)年に八十七歳で亡くなった。

 重郎博士の生涯は、立身出世、名誉栄達は眼中になく、台湾風土病の研究に捧(ささ)
げられた。最後に、その人柄を伝える短歌を二首紹介する。一首目は研究のため犠牲にな
った小動物を、二首目は同じ科学者として尊敬されていた昭和天皇を詠んだものである。

 いけにえと さだめし猫の 馴(な)れまして われに戯るる さまのあわれさ

 元首とし 科学の道にはげまるる 古今東西 わが君 あるのみ

                            (県立歴史博物館学芸員)

*毎週月曜日朝刊に掲載。第13回は「台湾紅茶の父・新井耕吉郎」。


手島仁氏プロフィール
[てしま・ひとし]前橋市生まれ。前橋高校を経て立命館大学文学部卒業後、群馬県内の
中央高校、群馬県史編纂室、桐生西高校、吉井高校に勤務。その後、群馬県立群馬歴史博
物館に専門員と勤務し現在に至る。主な著書に『総選挙でみる群馬の近代史』『中島知久
平と国政研究会』(上・下)など。論文多数。

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