台湾の台風による死者が116人に 後手に回る馬英九政権の対応に高まる批判

台湾の台風による死者が116人に 後手に回る馬英九政権の対応に高まる批判
日本交流協会が台湾に1,000万円の義援金

 8月10日、(財)日本交流協会の畠中篤理事長は台北駐日経済文化代表処に馮寄台代表を
訪ね、今般の台風8号(モーラコット台風)による災害により被害を受けた方々にお見舞
い申し上げるとともに、一刻も早い復興をお祈りするとの趣旨の見舞い状を呈した。

 また、日本交流協会台北事務所の齋藤正樹代表(駐台湾大使に相当)も同日、台湾政府
に対しお見舞いの意を伝え、協力を申し出ている。

 (財)日本交流協会は翌11日には、災害の甚大さに鑑み、緊急支援として1,000万円の義
援金を贈ることを発表、亜東関係協会に贈与している。

 義援金を贈ったのは日本が世界中で最初の国となった。これに対して、台湾駐日代表処
と外交部は感謝の意を表しているものの、義捐金受付の口座開設が遅れ、台湾国内も日本
でもようやく13日になって開設するという後手後手の対応となっている。

 本会が11日午前、台北駐日経済文化代表処に義援金受付の口座開設について問い合わせ
たところ「開設しない」という意向だった。一瞬わが耳を疑った。「検討している」では
なく、明白に「開設しない」という返答だった。それでは自分たちで義援金を募る口座を
開設するしかないと判断、それで12日朝に本誌で呼びかけた次第だ。

 それが13日になって開設したというのだから、どうも台北駐日経済文化代表処の対応は
全体的に鈍い。これでは日本の信頼を失いかねない。

 それは台湾国内でも同様のようで、李登輝元総統も12日、馬政権の対応を「見ちゃいら
れない」と述べているという。

 事は急を要することであり、人命に関わる。緊急時にこそリーダーの判断力が問われる。
1999年9月21日に起こった「集集大地震」のとき、当時の李登輝総統は非常事態宣言に相
当する「緊急命令」を発令し、その日のうちに被災地に飛んで被災者を励まし、軍隊をフ
ル動員してトップダウンで救援と復興を進めた。

 ところが、馬英九総統はこのような非常事態でも法律の枠組みに従って対応しているこ
とや、被災地訪問が遅れたことで、政府寄りのメディアからさえ非難が出る始末だ。台湾
の人々からも「天災ではなく人災。『八八馬劉災害』だ」といった声が挙がっている。

 そればかりか、台湾の一部のメディアは、馬英九政権はアメリカをはじめとする外国の
レスキュー隊や機材支援の申し出を断っていると報じた。

 13日になって中央災害対応センターが海外に向けて、「32トンの重機(トラックやブル
ドーザー)を吊り上げることの可能な特殊ヘリコプターや仮設住宅1000棟以上」などの提
供を呼びかけたという(台湾国際放送ニュース)。

 馬英九総統も13日、海外の援助を拒んでいる事実はないと強調したというが、こういう
報道がなされること自体、馬政権の対応が後手に回っていることに対していらだっている
台湾国民の意識の現れだ。

 いずれにしても、困ったときこそお互い様なのであり、ましてや日本と台湾の深い関係
なのだ。馬英九政権がどうあろうと、是々非々で対応する齋藤正樹大使の態度を日本人は
見習いたい。

                 (メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原 正敬)


台湾台風 死者116人に 馬政権の危機管理批判
【8月14日 東京新聞】

 【甲仙(台湾南部高雄県)=栗田秀之】台風8号による被害が深刻な台湾で、馬英九政
権の危機管理能力に対する批判が高まっている。政権寄りの台湾紙聯合報が十三日、非常
事態でも法律の枠組みに従って対応する馬政権の手法に「馬総統が直接指示を出すべきだ」
と指摘するなど、メディアが一斉に非難を始めた。

 消防当局によると、十三日までの死者は百十六人、行方不明者は五十九人に上った。土
石流で多数の住民が生き埋めになったとされる高雄県小林村の被害について、楊秋興県長
は同日、約三百人が行方不明になっていることを明らかにした。

 各メディアは、馬総統が地方からの情報を集約した上で判断を下したり、軍の指揮系統
をかたくなに守って自らが前面に出ない点などを挙げ、対応が常に後手に回っていると非
難している。

 この日は、劉兆玄行政院長(首相)と王金平立法院長(国会議長)が高雄県入りし、小
林村に通じる甲仙郷で橋の崩落現場を視察したが、周囲から「単なるパフォーマンスだ」
などの声が上がった。

 海外からの救援支援に対する慎重な姿勢を各界から批判されたこと受け、劉院長は「歓
迎する」と一転して方針転換するなど、対応にブレも生じている。


「話はいいから救いに行け」台湾・台風、政権に世論批判
【8月13日 asahi.com】

 【台北=野嶋剛】台風8号による災害をめぐり、台湾の馬英九政権が批判にさらされて
いる。対応の遅れが被害拡大を招いたなどと不満が高まり、13日に馬総統ら政権幹部が現
地入りするなど打ち消しに躍起だ。

 13日、被害が大きい台南県を訪れた馬総統に対し、被災者からは行方不明者の捜索や農
業被害への手当てを求める発言が続出。ほかの被災地では「話はいいから救いに行け」と
怒声が飛んだ。

 問題視されているのは軍の投入の遅れ。派遣は9日に本格化したが、屏東県などは「救
援は7日に要請した。軍が運んできた機材は必要なものではなかった」と批判。李登輝元
総統も12日、知人を通じて馬政権の対応を「見ちゃいられない」と形容した。

 これに対し馬政権は軍の投入は「現地の要請を受けて適切に行った」と主張。また、最
大で計約3千ミリという異常な雨量で、被害予測は困難だったと反論している。

 ただ与党の国民党内ではハリケーン「カトリーナ」への対応のまずさで政権支持率が下
がった米国の例を念頭に懸念が広がっている。

 台風による台湾全土の被害は13日時点で死者108人、行方不明者62人。外交部(外務省)
は同日、ダンプカーやショベルカーをつり上げられる特殊ヘリコプター、仮設住宅1千戸、
消毒水などの支援を日米など各国に要請した。

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