【祝】 長崎県平戸市と台南市が「友好交流協定」を締結

今年は、17世紀半ばに台湾からオランダを駆逐した鄭成功の生誕から400年を迎えています。

鄭成功の母は日本人の「田川マツ」と言われ、現在の長崎県平戸市で鄭成功を産み、鄭成功は7歳まで平戸で育ったと伝えられています。

鄭成功は1662年6月23日に熱病で歿し、平戸市では毎年、6月23日の命日から約ひと月遅れで鄭成功を偲ぶ神式の祭祀「鄭成功まつり」を行っています。

一方、鄭成功が台湾の首府とし、政治・経済・文化の中心地だった台南市では、鄭成功を祀る延平郡王祠において毎年4月29日、台湾上陸を祝う復台記念式典を行っています。

このような鄭成功の縁により、2013年 7月13日、平戸市民会と台南市台日友好交流協会(現在の台南市台日文化友好交流基金会)は「市民交流促進協定」を締結しました。

鄭成功生誕から400年を迎えた節目の今年は、去る4月29日、今度は平戸市と台南市が「友好交流協定」を締結しました。

今後、両市は文化や教育、スポーツなどの分野での交流を図るそうです。

調印式は台南市内で行われ、平戸市の黒田成彦(くろだ・なるひこ)市長と台南市の黄偉哲市長が臨み、「調印式にはオランダ東インド会社の最後の台湾行政長官フレデリック・コイエットから数えて14代目の子孫、Michael Coyetさんも同席」(Taiwan Today)したそうで、台南市台日文化友好交流基金会の李退之・理事長や平戸市議会の池田稔巳・副議長も立ち会ったとのことです。

ちなみに、平戸市では鄭成功生誕400周年記念事業の一環として、丸山公園内にある鄭成功分霊廟が建築後60年が経過して老朽化が著しいことから、鄭成功記念館横(現在の母子像位置)の生家跡に新築されるそうです。

また、平戸市の黒田市長は「日台共栄首長連盟」(会長:宮元陸・加賀市長)の幹事をつとめ、中国との交流が盛んな長崎県においてほぼ唯一と言っていいほど台湾との交流に熱心な首長です。

今回の「友好交流協定」締結は、4月15日の熊本県上天草(かみあまくさ)市と新北市瑞芳区の「友好交流協定」締結に続くもので、今年で5件目です。

1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは135件目(本会調査)となります。

ただし、本誌4月16日号で触れたように、最近の再調査により、嬉しいことに栃木県真岡市と雲林県斗六市、茨城県笠間市と台北市など10件ほどが新たに都市間提携を結んでいたことが判明しています。

いずれ、再調査の結果を報告いたします。

平戸市と台南市の「友好交流協定」締結を心から祝意を表し、下記に写真6枚を使って報じた台南市「市府新聞」の記事と「Taiwan Today」誌の記事をご紹介します。

◆台南與鄭成功出生地日本長崎縣平戸市締盟 台南400逢鄭成功誕生400更具意義 【台南市「市府新聞」:2024年4月29日】 https://www.tainan.gov.tw/News_Content.aspx?n=13370&s=8634222


台南市が鄭成功の出身地である長崎県平戸市と友好協力協定、鄭成功生誕400年の節目【Taiwan Today:2024年4月30日】https://jp.taiwantoday.tw/news.php?post=251928&unit=149&utm_source=Taiwan+Today+JP+9&utm_medium=email&utm_content=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9+textlink

 長崎県平戸市の黒田成彦市長は29日、平戸市議会の池田稔巳副議長などを含む訪問団を率いて台南市を訪れ、両市の「友好交流協定書」に調印した。

平戸市は、台南を拠点にオランダ人を駆逐した明の遺臣、鄭成功の出身地。

今年は鄭成功の生誕400年の節目の年でもある。

台南市側は、黄偉哲市長を筆頭に、新聞及国際関係処の蘇恩恩処長、文化局の謝仕淵局長が一行を出迎えた。

調印式にはオランダ東インド会社の最後の台湾行政長官フレデリック・コイエットから数えて14代目の子孫、Michael Coyetさんも同席した。

黄偉哲市長は、平戸市が鄭成功の出身地であること、台南と平戸市は鄭成功が縁となり長年にわたって交流を続けてきたことに触れ、「こうした歴史を踏まえた上で、平戸市と友好協定を締結し、また、コイエット台湾行政長官の子孫を台南市に迎え、3者がここでつながれたことを大変光栄に思う」と述べ、台南市と平戸市が友好都市となり、今後も文化、教育、スポーツなど各方面で交流を展開し、より緊密な友好関係を確立できるよう期待を寄せた。

鄭成功は1661年4月21日に2万5,000人の兵士を率いて台南に上陸し、台湾南部を支配していたオランダ人を駆逐した。

鄭成功の台南上陸363年を記念するため、28日には台南市で、国が主催する「明延平王鄭成功来台363週年中枢祭典」が行われ、平戸市の黒田市長やMichael Coyetさんとその家族も参列した。

黒田市長は、台南市と平戸市が友好交流協定を締結できたことを歓迎するとともに、偉大な英雄である鄭成功が平戸市で誕生し、歴史が繋ぐ縁によって、台南市と平戸市が交流を続け、深い友好関係を築いてきたことを喜んだ。

なお、台南市と平戸市の市民団体は2013年に交流促進協定を結び、これをきっかけに両市も交流を深めていった。

平戸市は長崎県北西部に位置する。

鄭成功は、中国人海商で平戸を根拠地として活動した鄭芝龍と、平戸川内の田川マツを母に1624年7月14日、平戸で生まれた。

平戸市の千里ヶ浜には鄭成功の誕生にちなむ「児誕石」がある。


※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。