本誌ではこれまで積極果敢に台湾との関係強化をはかる米国の連邦議会や議員の動きなどを紹介してきている。
昨日は「ニューズウィーク日本版」で紹介した上院(共和党)のトム・コットン議員による「孤軍奮闘する台湾を今こそ支援せよ」をご紹介したが、今度は、下院のテッド・ヨーホー(Ted Yoho)議員(共和党)が「台湾侵攻防止法案」を提出予定だという。
テッド・ヨーホー議員は1955年、ミネソタ州ミネアポリス生まれ。フロリダ大学獣医学部卒業し2012年に下院議員に当選している。
2018年1月9日に下院において全会一致で可決した「台湾のWHA(WHOの年次総会)参与支持法案(H.R.3320)」の提案者。昨年3月、蔡英文総統が南太平洋の国交樹立国3カ国を訪問した復路経由地のハワイに立ち寄った際、ヘリテージ財団がワシントンで開催したイベントにオンライン形式で出席、下院外交委員会アジア太平洋小委員会委員長のテッド・ヨーホー議員や共和党のコリー・ガードナー上院議員と対談している。
本誌でも報じたように、本年6月26日には、上院のエド・マーキィー議員(民主党)やマルコ・ルビオ議員(共和党)などとともに、連邦政府職員に奨学金を提供し、中国語の習得などを後押して台湾通の人材育成を目的とする法案「タイワンフェローシップ・アクト(台湾奨学金法)案」を提出している。
それからまだ1ヵ月も経っていない。今度は「台湾侵攻防止法案」を提出するという。台湾の外交部が「台湾海峡の平和と安定への重視を具体的な行動で示している」と称賛するのももっともだ。
—————————————————————————————–米議員、台湾侵攻阻止のための法案提出へ 大統領に武力行使権限を【中央通信社:2020年7月20日】
(ワシントン、台北中央社)中国による台湾への武力侵攻を阻止するため、米大統領に武力行使権限を与える内容を盛り込んだ「台湾侵攻防止法案」をテッド・ヨーホー米下院議員(共和党)が近いうちに提出する方針だ。17日、米報道番組に出演し明らかにした。これについて外交部(外務省)の欧江安(おうこうあん)報道官は20日、謝意を示した。
ヨーホー氏は番組で、米国による台湾への支援は十分とは言えないと強調。中国の習近平国家主席が台湾統一のためなら血が流れても構わないとの考えを持っていることに触れ、一方で中国側は統一に際して台湾から承諾を得ていないと指摘し、「台湾は中華人民共和国の一部だったことはないし、なりたくもないのだ」と訴えた。
欧氏は、米国の連邦議会議員が近年、台湾に友好的な取り組みを多く行っていると言及し、台湾海峡の平和と安定への重視を具体的な行動で示していると謝意を表明。法案について引き続き注視していくとした。
(徐薇?、游凱翔/編集:楊千慧)
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