陳総統 疑惑に対し潔白を強調−1審有罪なら辞任
【11月5日 NHKニュース】
夫人が公金横領の罪で起訴され、みずからも事件に関与していたと検察に指摘された台
湾の陳水扁総統は、5日夜、記者会見し、仮に夫人が裁判の1審で有罪判決を受ければ総
統を直ちに辞任すると述べ、身の潔白に自信があることを強調しました。
この中で、台湾の陳水扁総統は、夫人の呉淑珍被告(54)が総統府の機密費、日本円
にしておよそ5200万円を横領し、陳総統本人も関与したとする検察の主張について「
政治家として死刑宣告を受けたに等しい」と述べ、受け入れられないという認識を示しま
した。そのうえで、陳総統は、仮に夫人が「裁判の1審で有罪判決を受ければ直ちに総統
を辞任する」と述べました。陳総統としては、あえてみずから辞任に言及することで身の
潔白に自信があることを強調し、一部に責任を問う声がある与党民進党の内部に結束を促
すねらいがあるものとみられます。
これに対し、最大野党の国民党は「1審・2審などという司法手続きではなく、すでに
住民の信頼を失っていることが問題であり、陳総統は直ちに辞任すべきだ」として、早け
れば7日にも議会に3回目となる陳総統の罷免決議案を提出する方針です。一方、民進党
の游主席は「陳総統の責任ある態度を評価する」と述べ、引き続き陳総統を擁護していく
考えを表明しました。
<台湾>陳総統「有罪判決なら辞任」 会見で潔白主張
【11月6日 毎日新聞Web版】
【台北・庄司哲也】台湾総統府の公金流用事件で呉淑珍夫人が横領などの罪で起訴され
た陳水扁総統は5日夜、台湾住民向けに会見し、「1審で有罪判決が出たならば辞任する
」と述べ、当面は辞任しない意向を表明した。公判開始の見通しは不明。陳総統は「問題
の公費は極秘事項の外交工作に使われたもので、私的流用はない」として潔白を主張した
。陳総統が続投の意思を示したことで辞任を求めていた国民党など野党との対立が激化す
るのは必至で、台湾政局は混乱が続きそうだ。
陳総統は検察当局による「私的流用」との指摘について反論し、「外交に影響を与える
極秘事項のため使途は明かせない。これまでも1年ごとの会計審査を通ってきた」と使途
の正当性を主張した。
その上で、自らの去就について「3審確定を待つ必要はなく、1審で有罪判決が出たな
らば直ちに辞任する。地位に未練はない」と述べた。会見は呉夫人の起訴に対する反論に
終始したため当面は辞職しない意向を示した形だ。陳総統は検察当局から事件で主導的な
役割を果たしたと指摘されたが、憲法の規定による現職総統の不起訴特権で免責された。
辞任すれば同時に起訴される可能性がある。
起訴状によると、呉夫人は02年7月から今年3月までの間、知人の領収書を利用する
などして総統府の公費約1480万台湾ドル(約5180万円)をだまし取った。夫人は
職務上の機会を利用して財物をだまし取ったとされる陳総統の共犯に問われた。
国民党など野党は7日にも罷免案を立法院(国会)に提出する。罷免案には与党・民進
党と連合を組んできた台湾団結連盟(台連)も賛成する意向を表明している。
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