陳水扁総統がWHO事務局の決定を批判、台湾WHO加盟の正当性を強調

「台湾は主権独立国家、台湾はWHOに正式加盟を求める権利がある」

陳水扁総統がWHO事務局の決定を批判、台湾WHO加盟の正当性を強調
【5月1日 台湾週報】

 陳水扁総統は4月29日に台湾新世紀文教基金会が主催する「台湾の名で積極的にWH
O加盟を勝ち取る」シンポジウムに出席し、WHOが4月25日に台湾の加盟申請を拒否
した件について厳正なる抗議の意を示した。

 WHO事務局は4月25日、WHO事務局の法律顧問が「台湾は主権国家ではなく、W
HOの加盟国となる資格はない」として、台湾の加盟資格を認めず、処理を拒否する方
針を発表した。

 これに対し、陳総統は「台湾は主権が独立した国家であり、台湾はWHOに正式加盟
を求める権利がある。これは2300万の台湾の国民全体の人権であり、これをWHO事務
局あるいは事務局長個人が勝手に否決したり剥奪することはできない」と指摘し、「W
HO組織法第3条第3項には『世界保健機関の成員は、すべての国家に開放されている』
とあり、しかもWHO年次総会の議事規則には、『WHO加盟を申請する国家は、申請
書を事務局長に送付し、事務局長より各加盟国に伝送される。上述の申請書は次のWH
O年次総会の30日前までに事務局長に送付し、この申請案は正式に次の年次総会の議題
に盛り込まれる』とある」と提示して反論した。

 そして、陳総統は「『台湾が主権国家であるかどうか』や『WHO加盟国となる資格
があるかどうか』はWHO事務局が一方的に決定するものではなく、すべての加盟国に
よって共同決定されなくてはならない。同様に、WHO事務局長が次回のWHO年次総
会の30日前までに受け取った加盟申請書は、次の総会の議題に盛り込まなければならな
い。これはWHO事務局長が遵守すべき規定であり、義務である。WHO事務局が一方
的に処理しないと決定してよい事情には絶対にならない」と台湾加盟申請をWHO年次
総会の議題に盛り込むよう求めた。

 続けて、陳総統は「台湾は主権が独立した国家であることに何の疑いもなく、台湾は
目下23カ国のWHO加盟国および1つのオブザーバーと正式な外交関係がある。WHO
事務局は何をもって台湾の国家主権の地位を否定し、何をもってその他23カ国のWHO
加盟国の決議に疑いを向けるのか」と厳しく批判した。

 陳総統は「台湾はWHOに参加する権利を勝ち取るためすでに10年奮闘し、今年は11
年目となった。近年はさらに卑屈に自己を『衛生実体』の概念として、WHO年次総会
のオブザーバーとなることを希望したが、いままで終始スムーズに参加することはでき
なかった。しかもWHO関連会議の『有意義な参加』について、中国とWHOは2005年
に『秘密備忘録(MOU)』にサインし、さまざまな不合理な制限を加え、台湾の権利
に深刻な影響を与えた」と秘密裏に中国とWHOが備忘録を交わしていたことを指摘し
た。

 その内容について、陳総統は「最近明らかになった中国との『秘密備忘録(MOU)』
には、台湾の医療および公衆衛生の専門家がWHOの開催する技術的活動や会議に参加
を希望した場合、5週間前までにWHOが指定する連絡人に申請書を提出しなければな
らないとし、WHOの連絡人がもし許可する場合、中国駐ジュネーブ代表団を通じて中
国衛生部の審査に送られ、台湾からの出席者は個人の身分での出席とし、階級は課長以
下、会議の主催者は会議資料中に台湾の専門家は『中国台湾』と記載されるとしている。
これをも大目で見ないといけないとするなら、いったい何が大目で見られないというの
か。きわめて度を過ぎている」と語気を強めて非難した。

 陳総統は「これはまさに台湾語で言う『軟土深掘』(ヌン・トー・チム・クッ=軟ら
かい土は深く掘られる)の典型的な例であり、もしわれわれが持つべき権利を積極的に
守ろうとせず、われわれが終始自己を抑え、不満であっても我慢するという姿勢を続け
た場合、結局さらなる圧迫と横暴を招くだけである。なぜ私が今年は台湾名義で直接W
HOに加盟申請することを堅持し、過去の努力と合わせて『三本柱』としたかは、台湾
が受けている不公平な待遇を国際社会に直視させ、身を挺して台湾2300万人の公道を主
張するためである」と強調した。
                           【総統府 2007年4月29日】



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