日本人を名乗る男2人が台湾・台北市内の繁華街である西門町において、中国国旗「五星紅旗」を振りながら、マイクを使い「我々は日本人です。
日本から来てます。
中国をめちゃくちゃ愛しております」「台湾は中国のものです」などと街宣活動を行った。
8月18日のことだという。
それに止まらず、24日にはその動画を公開したという。
中央通信社は「移民署は報道資料を通じ、直ちに情報を把握し、調査を行ったと説明。
2人はいずれもビザ（査証）なしで入国した日本国籍保有者で、出入国・移民法で定めた外国人の入国を禁ずる状況のうち、『わが国の利益や公共の安全、秩序を害する恐れがある』に該当するとし、違法である事実が明確であるため、同署がすでに法に基づき強制退去および入境制限の処分を行ったとした」と報じている。
強制退去と再入境禁止は当然の措置だ。
このような違法行為には、さらなる厳罰がくだされてもおかしくない。
言論の自由を逸脱し、台湾や台湾人を侮辱することは許されない。
同じ日本人として誠に恥ずかしい。
下記の産経新聞によれば、動画を投稿したとみられるうちの1人は「以前、中国のSNSに、台湾南部・高雄市の廟（びょう）『紅毛港保安堂』に設置された安倍晋三元首相の銅像の前で撮影したとみられる動画を投稿。
『安倍晋三にあいさつしよう。
くそったれ！ 小日本、くそったれ！』と中国語で叫んでいた」と伝えている。
台湾では本年3月、すでに中国人妻のユーチューバー数人が「中国は台湾を武力統一すべきだ」などの発言をYouTubeで流したため、居留許可を廃止され、事実上の強制退去として期限付きの出境措置となった事件が相次いで起こっていたことは未だ記憶に新しい。
このような流れの中で、安倍元首相の銅像に「くそったれ」と罵詈雑言を放った日本人だと名乗る者が台湾に現れ、「台湾は中国のもの」などと放言している。
中国人妻のユーチューバーと同様に確信犯だろう。
これらは、親中派と目される中国国民党や台湾民衆党の立法委員が数の力で立法院を牛耳るようになってから出てきた現象であり、中国の影を見るような思いに駆られる。
中国が台湾に仕掛けているグレーゾーン作戦には、このような認知戦も含まれる。
日本人だと名乗る者が台湾に現れ、台湾の法律に抵触する言動をなし、その動画を公開したことは、中国による認知戦が日本に及んでいることを証してもいる。
台湾有事はすでに始まっているとみてよい。
下記に、産経新聞の記事と、強制退去と再入境禁止となった日本人を名乗る男2人が西門町で街宣する動画も紹介する中央通信社の記事をご紹介したい。
◆日本人2人を強制退去 台北市内で五星旗掲げ「台湾は中国のもの」 【中央通信社：2025年8月25日】 https://japan.focustaiwan.tw/society/202508250005
台湾、中国国旗手に動画撮影の日本人を強制退去 過去に安倍元首相銅像前で「くそったれ」【産経新聞：2025年8月25日】https://www.sankei.com/article/20250825-VFZSSKTBFBJPRBA6YJXDRSU3QI/
【台北＝西見由章】台湾の内政部移民署（入国管理局に相当）は25日、日本人の男2人が台北市中心部の繁華街、西門町で、中国の国旗を持って動画を撮影し、さらに「台湾は中国だ」などと発言したとして、うち1人を強制退去処分にしたと発表した。
別の1人は動画撮影の当日に自ら出境したという。
移民署は2人の再入境を禁止した。
入出国移民法は「わが国（台湾）の利益や公共安全、公共秩序を害する恐れのある外国人の入国」を禁じており、日本人2人は同法に違反したとしている。
同署によると、2人はビザなしで入境。
中国のSNSに投稿された動画では、日本語で「私たちは中国をめちゃめちゃ愛しております」「台湾は中国のものです」などと主張した。
また中国語でも「われわれは日本から来た」「中国と日本の関係がずっと非常によいことを願っている」などと発言した。
この動画を投稿したとみられるうちの1人は、中国のSNSのアカウントで自らを「日本育ち」と紹介。
東京の大学を卒業後に中国湖北省の大学に1年留学し、さらに上海で1年働いた後、現在は東京で日本語教育関連の会社を経営していると記述している。
さらにこの人物は以前、中国のSNSに、台湾南部・高雄市の廟（びょう）「紅毛港保安堂」に設置された安倍晋三元首相の銅像の前で撮影したとみられる動画を投稿。
「安倍晋三にあいさつしよう。
くそったれ！ 小日本、くそったれ！」と中国語で叫んでいた。
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