秋の叙勲で台湾から徐金錫氏と杜祖健氏が受章

11月3日付で発令された秋の叙勲で、台湾から徐金錫・嘉南農田水利会会長が「旭日双
光章」を、杜祖健・千葉科学大学客員教授は「旭日中綬章」を受章された。

 内閣府の儀典課によれば、旭日章は「功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた方」に
授与される。

 日本は台湾と国交を断絶して以来、中国に配慮して台湾を受章対象からはずしていた。
しかし、2005年(平成17年)、当時の内田勝久・交流協会台北事務所代表(駐台湾大使に
相当)の強力な働きかけにより、「叙勲は国籍ではなく個人に贈られるもの」として授与
に踏み切り、春の叙勲において、台湾の日本語教育と教育史の第一人者で、台湾日本語教
育学会理事長などを務めた東呉大学客員教授の蔡茂豊(さい・もほう)氏に旭日中綬章を
授与した。この経緯については、内田氏が『大丈夫か、日台関係−「台湾大使」の本音録』
の中で詳しく記している。

 その後は、平成17年秋に、財団法人台日経済貿易発展基金会董事・常任特別顧問で、台
日商務協議会秘書長の李上甲氏が「日本・台湾間の経済交流促進に寄与」したとして旭日
小綬章、平成18年春は、台湾で俳句を作り『台湾俳句歳時記』などの著者としられる作家
の黄霊芝氏(本名:黄天驥)が「日本文化の紹介に寄与」したとして旭日小綬章、平成20
年春には、「台湾のスポーツの父」と言われ、台湾カヌー協会会長などを歴任した呉文達
氏が「我が国におけるカヌー競技の普及・発展に寄与」したとして旭日中綬章を綬章して
いる。

 台湾からの受章者は今秋の綬章でようやく6人となったが、親日と言われ、交流も深い
はずなのにまだまだ少ない感じがする。あの人もこの人もまだ叙勲しないのかなという思
いになる。

 叙勲は交流の証ともなる。中国への「配慮」などはまったくいらなくなっているのだか
ら、交流に貢献している台湾の方々にどんどん授与していただきたい。下記に、秋の叙勲
を伝える「台湾週報」をご紹介したい。

                 (メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原 正敬)


秋の叙勲に徐金錫・嘉南農田水利会会長が旭日双光章を受賞
【11月5日 台湾週報】

 日本政府が11月3日付けで発令した平成21年秋の外国人受勲受賞者名簿の中で、徐金錫
・嘉南農田水利会会長の「旭日双光章」受賞を発表した。

 徐会長は現在、72歳で台南市在住である。同氏のこのたびの受勲については、その発表
の中で「日本人技師、八田與一氏の業績伝承活動を通じた日台交流の促進に寄与」との功
労概要が記されている。

外務省:外国人叙勲受賞者名簿 WEBサイト
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/protocol/jokun.html


秋の叙勲に台湾出身の杜祖健・千葉科学大学客員教授が旭日中綬章を受賞
【11月6日 台湾週報】

 日本政府が11月3日付けで発令した平成21年秋の外国人受勲受賞者名簿の中で、台湾出
身で現在、千葉科学大学客員教授である杜祖健(アンソニー・トゥー)氏の「旭日中綬章」
受賞を発表した。杜教授のこの度の受賞については、「わが国における危機管理学の発展
に寄与」との功労概要がその発表の中で記されている。

 1930年に台湾で生まれた杜教授は、台湾大学を卒業後、渡米し米国で学究生活を送って
いる。毒性学が専門で米国コロラド州立大学名誉教授でもある杜教授は、毒蛇研究の権威
であるほか、生物化学兵器の研究にも詳しく、オウム真理教による松本・サリン事件が発
生した当時、警視庁の科学捜査に協力した経歴を持つ。

 杜教授が現在客員教授として教鞭をとっている千葉科学大学では、災害やテロなどの発
生時に対応できる危機管理の専門家養成を目的とした日本初の危機管理学部を2004年の同
大学開校時に開設しており、日本語も堪能な杜教授は開校当初より同大学で集中講義を行
っている。

外務省:外国人叙勲受賞者名簿 WEBサイト
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/protocol/jokun.html



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