日本政府は11月3日付で、令和4年秋の叙勲受章者を発表しました。受章者は3,999人で、別枠の外国人叙勲は54ヵ国・地域の119人でした。
今回、台湾からは中華文化総会副会長の江春男氏(旭日中綬章)と翻訳家の?明珠氏(旭日双光章)のお二人が受章されました。心からお祝い申し上げます。
・江 春男(こう・しゅんなん Chiang Chun-nan) 旭日中綬章 NGO「中華文化総会」副会長 日本・台湾間の友好親善及び相互理解の促進に寄与 台湾・台北市(78歳 男)
・? 明珠(らい・めいしゅ Lai Ming Chu) 旭日双光章 翻訳家 台湾における日本文化の紹介及び相互理解の促進に寄与 台湾・台北市(75歳 女)
ちなみに、台湾からの叙勲が再開されたのは2005年からで、春の叙勲で蔡茂豊氏(台湾日本語教育学会元理事長、元東呉大学外国語学院院長)が旭日中綬章を受章されたことを嚆矢として、以来、台湾からの叙勲受章者は75人となります。別途、「台湾の叙勲者一覧」をご紹介します。
日本と台湾の中華民国が1972年9月29日に断交後、姉妹都市などの都市間提携は1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮が「姉妹町」を提携したことが最初で、その後も数件結ばれました。また、1986年1月に大井川鉄道と阿里山森林鉄道が「姉妹鉄道」を結ぶなどの動きもありましたが、まだまだ日台の交流は低調でした。
本格的な交流がはじまったのは、2001年4月に李登輝前総統が心臓病治療のため来日されてからで、李元総統は2004年、2007年、2008年、2009年と来日され、この来日が一つのバロメーターでした。
2003年12月には、在外公館が日本のナショナルデーをお祝いする「天皇誕生日レセプション」が再開されました。2005年4月には叙勲が再開、9月には台湾人観光客にノービザを実施するなど、現在まで続く交流の流れができたのではないかと思います。
2011年の東日本大震災を通じて日台の交流はさらに一段と深化し、いまや都市間提携は110件(本会調査)、鉄道提携も41件(本会調査)、高校生の修学旅行先は台湾がダントツの1位で約6万人(文部科学省調査)にも及ぶようになっています。
本誌は叙勲も日台交流のバロメーターと考え、2005年春の叙勲以来、台湾の人々の叙勲についてご紹介してきています。
◆内閣府「令和4年秋の外国人叙勲受章者名簿」(令和4年11月3日付け発令) https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100415155.pdf
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