11月8日に国際政治学者の藤井厳喜氏と「台湾の声」編集長・台湾独立建国聯盟日本本部委員長の林建良が開催したONE
TAIWAN 2023
シンポジウムは多くの日台メディアに取り上げられました。
中央社の記事をご紹介します。
中央社(2023/11/9)
日學者挺賴清德 指中共力阻民進黨國會過半
日本人学者が頼清徳を応援
https://www.cna.com.tw/news/aipl/202311090221.aspx
【全訳】
日本人学者が頼清徳を応援 中国共産党が民進党の国会過半数獲得を阻止にかかると指摘
日本の国際政治学者、藤井厳喜氏が発起した台日シンポジウムが昨夜開催され、3000人の日本人が有料チケットを購入して参加。
参加者全員が「台湾加油」「頼清徳加油」と大声で叫ぶ様子は壮観だった。
藤井氏は、中国共産党はすでに来年の台湾総統選挙は諦めたものの、民進党が国会で過半数を取るのを阻止しようとしていると述べた。
「ONE
TAIWAN
2023 シンポジウム」は「台湾と日本で一緒に自由を守ろう」というテーマで行われ、発起人の藤井厳喜氏は情報筋の話を根拠として、「2024年から2028年にかけての悪夢のシナリオ」を披露。
中国はすでに来年1月の台湾総統選挙は、副総統で民進党候補者である頼清徳が勝つだろうと諦めたものの、立法院で民進党が過半数の議席を取るのを阻止し、ねじれ国会になるよう画策していると指摘した。
藤井厳喜氏は、頼清徳が来年当選し政権を担ったとしても、経済政策や福祉政策、国防政策などの法案が通りづらくなり、2028年に二期目を続投しようと思っても、大変困難になること、そして中国がその時に総統候補として推そうと考えているのは、故蔣介石総統の曾孫とされる蔣万安であり、もし台湾が親中派の政権に取って代わられたら、台湾と日本にとって非常に悪い事になる、と述べた。
藤井厳喜氏は、中国は戦わずして勝とうと考えており、これが2028年の台湾総統選挙における最も恐ろしいことだと指摘した。
2024年の立法委員選挙で、もし国民党と民衆党が協力すれば民進党は過半数を取ることができないだろう、もし中国勢力が台湾の立法院に入り込めば恐ろしいことになる、と指摘した。
シンポジウムを共催した台湾独立建国聯盟日本本部委員長の林建良氏は、「中国が恐れている李登輝哲学」と題して講演。
李登輝元総統の哲学の一番重要な部分とは「誠実」と「自然」の2点であると指摘した。
日本政府は台湾に誠実に向き合い、台湾の存在を認めるべきだと指摘した。
シンポジウムでは謝長廷駐日代表、陳南天・台湾独立建国聯盟台湾本部主席が講演したほか、頼清徳副総統、游錫堃立法院長がビデオメッセージを寄せた。
謝長廷駐日代表は、「台湾と日本は協力しなければならない。
なぜなら台湾は第一列島線に位置し、非常に重要だから。
中国が台湾を侵略する時、その最終目標は台湾を占領することではなく、台湾を対外拡張の拠点とすることだ。
だから台湾は民主陣営の防波堤となっている」と述べた。
また、現在、中国、北朝鮮、ロシアといった独裁陣営が段々と1つのグループを形成しつつあり、この面から見ても台湾は民主陣営の堡塁と言えるとして、「もし台湾が消滅させられたら民主陣営が惨敗したと言える。
台湾の平和と安全は世界の利益」と指摘した。
この日、藤井厳喜氏がシンポジウムの決議文を読み上げ、満場の拍手で採択された。
決議文は、台湾は台湾、中国は中国、それぞれ別々の国であり、民主自由の国である台湾を支持する、日本政府に台湾の法的存在を認め、日本版台湾関係法を制定することを要求する、日本政府に台湾と安全保障上の連携を進めることを要求する、中国共産党の一党独裁政治を終結させ、中国を民主化に向かわせることを支持するーーという内容である。
シンポジウムの最後には、藤井厳喜氏と林建良氏のリードのもと、参加者が「台湾加油(ガーユー)」「頼清徳加油(ガーユー)」「頼清徳政権加油(ガーユー)」とシュプレヒコールを叫んだ。
林建良氏は、シンポジウム閉会後にメディアの取材を受け、「今回のイベントは日本で最大規模の台日関係のシンポジウムであり、日本人は台湾を支持している、台湾を孤独にさせまいと台湾への関心と大切に思う気持ちを行動で表した」と述べた。
また、来年の台湾総統選挙について、「日本人は台湾がアメリカか中国かどちらの側に立つことを選択するのかを非常に関心を持っている。
残念ながら台湾内部には少なくとも2つの政党が中国に近づきたがっている」「日本の民間人が自主的に今回の盛大なシンポジウムに参加した状況から見て、日本人は台湾への支持を行動で示してくれている」と述べた。
シンポジウムの始まりには、董事長楽団が「衆神護台湾(神々が台湾を守ってくれている)」「媽媽請你也保重(お母さん、体を大事にしてね)」などの台湾語の歌を披露した。
陳南天氏は、「黄昏の故郷」を聞いた時、同歌をめぐる思いが胸にこみ上げ、涙がこぼれたと話した。
前回の第一回ONE TAIWAN
シンポジウムは2019年に行なわれた。
今回のシンポジウムの参加費は、最高額の席で2万6000台湾ドルに上る。
会場には多くのブースも設置されたほか、台湾の地図をデザインした大型のメッセージボードが置かれ、日本語で「頼清徳さん、がんばって」と書き込む日本人参加者の姿もあった。
会場では書籍や関連グッズが販売された。
「台湾の声」編集部補足
台湾のロックバンド董事長楽団が歌った台湾語の歌「黄昏の故郷」は、戒厳令下で台湾に帰国できず海外で国民党独裁政権打倒のために奮闘していた台湾人が、故郷を思って歌った曲です。
元は日本の歌謡曲の「赤い夕陽の故郷」。
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