中国人はよく「小日本」などといって、ことさら日本の存在の小ささをアピールしますが、そのわりには無視するのではなく、わざわざ「5・4運動記念日」「7・7抗日戦争記念日」「抗日戦勝記念日」「柳条湖事件記念日」「南京大虐殺追悼日」など、かつての日本と関連する記念日を数多く作っています。
26ある記念日の約5分の1が日本関連であり、「マルクス」「レーニン」に関する記念日より多く、中国が意識する外国としては、他の追随を許しません。それほど日本を意識しているということなのです。
つまり、中国および習近平政権の今後の行方を左右するほどのポテンシャルが日本にあるわけです。
中国共産党の内部でも、習近平は問題人物とみなされています。そもそも「草包」(バカ)だと見なされたので、江沢民派の上海幇に抜擢されたのであり、逆に切れ者とされた薄熙来は潰されてしまいました。
習近平が何もしなければうまくいくことでも、しゃしゃり出てくるとメチャクチャになるということが、中国人の間でも裏でよく言われています。能力がないために余計に自分の偉大さと権力に固執するのだと、私に訴える中国人も少なくありません。私に「習近平は想像以上に悪どい人物だ」と語る中国研究の専門家もいました。
今年の秋までは、習近平は何が起こるのか気が気ではないでしょう。現在、習近平は必死に不動産バブルを演出しています。中国のGDPに占める不動産投資額の比率は、23%以上(2016年、IMF試算)という、異常な状態になっています。一応は、バブル抑制策は取っていますが、バブルを本格的に冷やしてしまうと経済は急速にクラッシュしてしまうため、単なるポーズにとどまっています。習近平としてもいまバブル崩壊を起こすわけにはいかないのです。
追い詰められている習近平にとっては、とにかくこの夏と秋までが正念場です。逆の見方をすれば、秋の党大会以降、中国が大きく傾く可能性があるということなのです。