【驚き!】温家宝が国谷裕子キャスターを指名―政治利用されたNHK「クローズアップ現代」

温家宝が国谷裕子キャスターを指名―政治利用されたNHK「クローズアップ現代」

ブログ「台湾は日本の生命線!」より
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■中国と日本メディアの間に主従関係  

中国の思想・報道統制の最高責任者である李長春政治局常務委員が昨年三月来日した際、日本の主要メディア十四社のトップらを招いて懇談会を開き、「両国の圧倒的多数の民衆は今なお、主にメディアを通じて相手国や両国関係のことを理解している」と強調している。

そしてその上で「両国関係の発展の方向、主流を正しく把握し、各分野における互恵協力を積極的に促し、協力の強化にプラスとなるニュースを多く報道し、戦略的互恵関係の推進にプラスとなる情報を多く提供すること」との「重要意見」(中国側の表現)を述べたのだった。

いかにもあの国ならではの発想である。この独裁国家のメディア統制者は「戦略的互恵関係」を発展させるため、「中国を悪く報道するな」と、民主主義国家の日本のメディア各社に要求したのだ。

戦略的互恵関係とは、両国の友好、協力などを追及するものだが、これが日本の首相による靖国神社への参拝が停止されて初めて合意に達したとの経緯を忘れてはならない。

また中国が友好、協力を謳いながら、その一方で東支那海、さらには西太平洋において、軍事恫喝を含む日本への反友好、非協力的な覇権主義姿勢を強化していることも忘れてはならない。

つまり日本側が中国の影響下において、中国に反撥することなく、ただただ友好、協力に励むべしと言うのが、あの国の訴える戦略的互恵関係なのである。

李長春氏が居並ぶメディアのトップたち前で平然と報道統制を呼びかけたのは、何とも象徴的ではないか。いつの間にこうした主従関係が形成されたのか。

■温家宝首相に気に入られたNHKキャスター

さて今年二月、日中両国の有識者で作る新日中友好21世紀委員会の初会合が北京で開催された。外務省HPによると、そこでは両国の国民感情に関して話し合われ、次のような意見が出された。

「両国国民にとって、日中関係に関する情報源はメディア。国民感情が論より情で動くのは危険」

李長春氏と同じことを言っている。これがいずれの国の委員から出たものかはわからないが、少なくとも中国政府の意向を受けてのものだろう。

日本側委員の中にはメディア関係者がいた。NHKの国谷裕子キャスターだ。

報道番組「クローズアップ現代」でレギュラーを務める国谷氏だが、この報道操作に関する提案をどう受け止めたかはわからない。ただ同氏は中国の温家宝首相から気に入られた模様だ。「訪日の際には国谷氏のインタビューを受ける」と言われている。

そしてその温家宝氏が五月二十八日から近隣国への歴訪を行い、日本へも三十日から六月一日まで滞在することとなったのである。

■温家宝氏側がごり押しーNHKにかかった期待

温家宝氏の訪日に先立ち、日本駐在の中国大使館は、国谷氏が温家宝氏にインタビューをするようNHKにごり押ししている。もちろん同氏を指名したのは温家宝氏だ。

これはたっての要請だったと思われる。温家宝氏が各国へ旅立つ五月二十八日、同行する中央人民放送の記者がラジオで今回の歴訪の意義を語っているが、その中でこう話してもいるからだ。

「温総理の今回のアジアへの旅の大きな特徴は、集中的に行われる外交活動の合間に、各国一般の民衆と様々な形で親密に交流することだ。訪日期間中はNHKテレビの国谷裕子キャスターのインタビューを受ける予定だ。私が現場で膨張できるかはわからないが、いずれにせよ期待充満だ」

この記者の談話は「日本のテレビキャスターのインタビューを受ける予定」との見出しで様々なニュースサイトに転載されており、このことからも国谷氏との会見に、中国政府が「期待充満」であったことがわかる。

もちろん「期待」するのは、日本の「一般の民衆との親密な交流」、つまり日本の視聴者に中国の好印象を与える政治宣伝を行うことである。もちろんすべては、かの「戦略的互恵関係」発展のためだ。

■政治宣伝垂れ流しーこれでは中国の御用メディアだ

インタビューは温家宝氏が日本を離れる六月一日午前、宿泊先のホテルニューオータニで行われた。今回の滞在中、唯一の記者会見である。

そしてその模様は同日夜の「クローズアップ現代」が放送したのだが、この時点でNHKは、指導者の発言を人民に向けて無批判に垂れ流す、中国の御用メディア(所謂「中共の喉舌」)さながらとなってしまった。

番組のテーマは「中国 温家宝首相が語る」。世界第二位の経済大国となろうとする中国だが、国内では貧富の格差などの課題に直面し、また国際社会からは大国としての責任ある役割が求められている。果たして温家宝首相はこの大国を「どう動かそうとしているのか」を聞く内容である。国谷氏のいくつもの質問に対し、温家宝氏は中国政府の立場を語り続けた。

たとえば「韓国の哨戒艦沈没事件で中国は慎重な姿勢を採っているが」との問いには、「中国は正義を重んじる責任ある国。打算はない。日本との協力を強化したい」などと、微笑んで聞く国谷氏に説明した。そして韓国による国連安保理への提起に関しても、「安保理で中国がどう行動するかを見守ってほしい」と語った。

また経済発展の中での格差などの矛盾問題に関しては解決への意欲を示しつつ、「政治改革、民主化はどう進めるのか」との質問には、「政治改革の成功がなければ経済発展も成功しない」とし、「社会主義体制の下での民主政治の確立」「社会の公正、正義の実現」「人々の自由の拡大、全面的発展」を課題にしていると答えた。

番組の中で国谷氏は質問を発するのみで、温家宝氏への回答への批判めいた発言は一切しなかった。人民の自由の剥奪、チベット人など異民族への迫害にも言及することは避けている。しかしこれでは視聴者にあの国の社会の実態、実相などを正確には伝えられないのである。

NHKが「中共の喉舌」に堕したと言うのはこう言うことなのだ。明らかに温家宝氏の要請に従って製作した中国のイメージアップ番組でしかなかったのである。

■国谷氏は中国の脅威に関する質問をなぜためらう

肝心の日中関係に関しても、温家宝氏は多くを語っている。

「両国間には戦略的互恵関係が確立されている」として、日中関係が良好に発展していることを強調し、今回の訪日を「自信の旅」「希望の旅」と位置付けた。

そして「両国には切っても切れない経済関係がある。今後は文化と人的な交流を深めることが友好の基礎だ」とアピールした。

しかしそれだけでは中国に警戒心を抱く広範な視聴者たちは納得しないだろう。そこで国谷氏は、あたかも国民の疑問を代表するかのような質問を切り出した。

「中国の軍事費の増強、海軍力の強化が見られるが、日本では懸念の声が強まっている」と。

ただし、言いにくそうな表情でだ。「中国の脅威」に関してなど、中国政府が聞きたがらない話だからか。それとも自分自身は「まったく懸念していない」と言いたかったのか。しかしこれだけは触れないと、NHKは媚中偏向との謗りを受けてしまう。「そのー」とためらいがちに聞いていたのが印象に残る。

これに対して温家宝氏は心中で「待ってました」とつぶやいたかも知れない。なぜなら日本人から「中国の脅威」への警戒心を払拭しないかぎり、その友好と協力は十分に望めない。

そこで滔々と語り始めた。

■なぜ温家宝氏のイカサマ宣伝に疑問を呈さない

もちろん中国政府お決まりのイカサマ宣伝をである。

「中国の軍事力の発展には透明性がある」

「中国は近代史において多くの列強に侵略された。私達は平和と独立が容易ではないことをよくわかっている。中国は他の国の領土を占領したことはない」(こうした歴史捏造の発言に何と国谷氏はしきりに頷く)

「そして私たちが軍事力を発展させる唯一の目的は自衛のためだ」

「中国はこれからも平和的発展を堅持して行く。いかなる国に対しても、永遠に脅威になることはない」

「中国が他国を支配し、覇権を取ることは永遠にないのだ」

しかし中国の軍事力は明らかに不透明なままではないか。チベットを占領したではないか。台湾を支配しようとしているではないか。そして東支那海、南支那海で覇権を握ろうとしているではないか。そもそもいったいどの国の攻撃から自衛すると言うのか。実際に日本を含む近隣諸国は軍事的脅威を感じているではないか。

だが国谷氏は、こうした疑問は全く口にしなかった。

そしてその結果、多くの視聴者はこれら一連のプロパガンダを刷り込まれてしまったはず。NHKはなぜこのようなことを仕出かしたのか。

■番組はNHKが中国の統制下にある証拠となった

番組によれば、日中世論調査の結果、相手国にマイナスイメージを抱いているのは、日本が七三%で中国が六五%。そこで国谷氏は「若い世代の感情の隔たりをいかに改善するか」と聞いたところ、温家宝氏はあくまでも日本人の警戒心、不信感を取り除きたいようだ。

「歴史と現実の問題をいかに正確に認識するかが大切」とした上で、「歴史を鏡として未来に目を向けようと強調するのは、決して恨みがあるからではない」と断言した。

そして平和憲法の下で平和的発展を行い、経済発展もした戦後日本と、改革開放以降に平和的、調和的な発展を目標とする中国とは、「お互い理解し、協力し、信頼し合うことが大切だ」と述べるのだった。

軍事恫喝の一方で宥和姿勢に出るのが中国外交の欺瞞的な常套手段である。NHKは温家宝氏に、中国は平和愛好国家であるとの、日本国民に対する危険な虚構宣伝の場を提供してしまったのだ。

今回の訪日で温家宝氏は、東支那海ガス田の共同開発に向けての条約締結交渉の早期開始を首脳会談で提案した。そこでここでも「これは東支那海での協力は一歩前進した」と自画自賛し、「平和、協力、友好の海にできると確信している」と言ってのけた。

しかしその一方で会談では、同海域における中国海軍の威嚇行為などの再発防止を約束しなかった。これで「平和、協力、友好の海」が現出すると言い切れるのだろうか。

これについては温家宝氏も、国谷氏も黙して語らず。これによって視聴者からはどれほど正確な情勢判断能力を奪われたことだろう。

今回の日本訪問の上で大きなウエイトを占めていた国谷氏との会見は、中国では成功と位置付けられているらしい。すでに番組での発言の全文は、中国のニュースサイトに出回っている。

李長春氏の「協力の強化にプラスとなるニュースを多く報道し、戦略的互恵関係の推進にプラスとなる情報を多く提供すること」との「重要意見」に忠実に従ってしまったNHK。

この番組は、中国政府の報道、情報統制が日本の公共放送にまで及んでいる動かざる証拠となった。

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