【日本政府の蔡英文氏訪日拒否報道への台湾人の心境】

【日本政府の蔡英文氏訪日拒否報道への台湾人の心境】

台湾独立建国聯盟日本本部 中央委員 林 省吾

3月20日に配信された共同通信の報道によると、昨年7月、安倍元総理の三回忌に合わせて訪日を調整していた台湾の蔡英文前総統の入国を、日本政府は中国の反発を恐れて認めなかった。

もし、この対応が本当であれば、一在日台湾人として、極めて遺憾であり、強い憤りを感じざるを得ない。

日本は2005年以降、観光目的の台湾居住者に対する入国査証(ビザ)を免除している。

さらにその前の2004年には、李登輝元総統が家族旅行で訪日した際、日本政府は「私人に対する査証を拒否する理由はない」と認めた経緯がある。

現在ではビザが免除されているにもかかわらず、同じく総統を退任した蔡氏の訪日がもし本当に認められなかったのであれば、説明を要するのではないだろうか。

無論、日本政府には外国人の入国を拒否する権利がある。

しかし、その場合、本人に何かしらの問題があるのが筋ではないだろうか。

蔡氏はすでに公人ではない。

彼女が友人である安倍元総理の三回忌に参列することが、「第三者である中国が怒るから」という理由で拒否されたのであれば、あまりにも理不尽に映る。

親日の台湾より、反日の中国が優先される現状に、台湾人が納得できないのも無理はない。

台湾人は、長年にわたり「二つの中国」(中華人民共和国と中華民国)からの圧力や脅迫に耐えながらも、自由と民主の価値観を守り続けている。

日本の政治家が「日本と台湾は価値観を共有する大切なパートナー」と言うのであれば、それを言葉だけでなく、行動で示してほしいと切に願う。


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