【台湾現地ルポ】中国による侵略のさなかにある台湾
台湾独立建国聯盟日本本部 中央委員 林 省吾
筆者の台湾帰省中に、事件が起こった。
事実上、中国の所有するカメルーン籍輸送船Shunxin39号が、12月下旬から台湾北部海域で、特殊な錨を装備し、不自然な航行ルートを繰り返して、海底ケーブルの破壊を試みた。
実際に台湾とアメリカを繋ぐ1本のケーブルが破壊されたことが1月3日に判明した。
専門家の中には、中国が戦争のための地ならしをしているのではないかという見方もある。
ほぼ同じ時期に、台湾の内部で話題となったのは、台湾人が中国の身分証明書を保有している問題である。
中国の統戦部が台湾人の代理人を通じて、積極的に台湾人に中国の身分証明書を発行していることを、あるユーチューバーが暴露した。
台湾人は中国の身分証明書さえ手に入れれば、住宅ローンなどの優遇制度を利用して、手ぶらで中国で不動産を手に入れられる。
その結果、現時点で約20万の台湾人が中国の身分証明書を保有しているとされ、その中には国民党籍の国会議員もいることが判明した。
親中派が過半数を占める台湾の立法院(国会)では、様々な法案が改悪されているが、その中で筆者が注目するのは、警察の退職金制度の修正案である。
この修正案は退職警官の所得代替率を一気に最大80%まで引き上げるものだ。
軍人、公務員の退職金制度も同様に改正するという。
一見、軍警察関係者や公務員の福利厚生を強化する法案に見えるが、財政赤字の恐れがあるのはもちろん、その裏には、軍警察、公務員の早期退職を狙い、政府組織そのものの弱体化を狙う意図がある。
このように、中国が台湾に仕掛けてきた侵略にはミサイルも、戦闘機も要らない。
民主制度の弱みにつけこみ、弱体化された相手の自滅を待つのみだ。
上記、三つの例はあくまでも氷山の一角であり、台湾は既に中国により様々な手段で侵略されていることを、我々は直視せざるを得ない。
角度を変えると、台湾のケースそのものも世界情勢にとって氷山の一角であろう。
日本を始め、アジア諸国、欧州、そして米国にいたるまで、中国の悪意は既にツルの様に各国に絡まり、養分を吸い取りながら、世界をコントロールしようとしている。
直ちにチャイナドリームを捨てるべきなのは言うまでもないが、チャイナリスクの管理に止まるのでは危険な状態だ。
ツル取りには、根元に着手することが最も効果的だ。
トランプ2.0政権は「脱チャイナ」を加速させるだろう。
アメリカが目指す新たな世界秩序に参加するには、政治、経済各方面で「ノーチャイナ」を早期実現することが求められる。
中国とアメリカの架け橋としての役割を果たすという発想はもう通用しないことを、日本は、いち早く認識するべきであろう。
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